「早大1浪2留中退」名家の母を嘆かせた彼の後悔 早稲田行きたい一心で浪人を決意、彼のその後

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西さんは、福岡県の大野城市に生まれました。両親ともに名家の生まれでしたが、2人ともそうした生活を嫌い、結婚してからは実家に帰らない暮らしを選んだそうです。

「父は博多織の製造元、母は地主である黒田藩の上級武士の家に生まれましたが、どちらも家を出ていたので、収入はあまりありませんでした」

父親は優しい人でしたが、お金を稼ぐことに罪悪感を覚える性格だったそうです。そのため、女子大を出てから公文式の先生をしていた母親が、家事をしながら家計を支えました。そうした家庭だからこそ、教育に関心が高く、家には子育てに関する本が大量に置いてありました。

「子どもの教育にものすごく熱心な家で、小学生のときがいちばん忙しかったですね。毎日公文式の宿題をこなしながら、バイオリンを週2回、サッカーを週5回練習する生活をすごしていました」

休みのない生活を送っていたためか、小学校のときの成績はとてもよかったそうです。通知表の評価は高い順に「とてもよくできました」「よくできました」「頑張りましょう」の3つでしたが、「『頑張りましょう』が1個でもあったら、親に心配されて指摘されました」と、彼は当時を振り返ります。

優等生だった西さんは、そのまま地元の公立中学校に進学します。

中学ではバスケ部に入ったそうですが、小学生のときと同様に勉強にも力を入れていたため、部活のみに集中することはできなかったそうです。

「180~200人くらいいた学年で10番以内の成績だったのですが、親は満足しておらず、2年生から地元の塾の英進館に通いました。バスケはレギュラーだったのですが、塾に行かないといけなかったので、毎日大変でしたね」

高校に合格したことに満足してしまった

漫画やテレビゲームを買ってもらえず、見てもいいテレビ番組に制限がある中、受験勉強をひたすら頑張った西さん。その努力の甲斐あって、高校受験で見事、福岡の名門、筑紫丘高等学校に合格します。

英進館では「通い出してから、3カ月後に表彰をもらった」と語るほど、集中的に勉強し、成績を伸ばした西さん。

しかし、「高校に合格したことに満足した」彼はすぐに遊び始めたそうです。

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