中国で「iPhone↓ファーウェイ↑」になった背景 iPhone 15よりもMate 60 Proがかっこいい!

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しかし、こうした広告はジェイソン・リーがiPhone 13 Pro Maxを交換するのに、上海のショッピング街の中心部にある南京東路のアップルストアに誘導することはなかった。代わりにリーは通りの真向かいにあるファーウェイの旗艦店に行き、「Mate 60 Pro」の購入を検討した。

「iOSはもう使いたくないんだ」とリー。「もうちょっと古いんだよね」。

アップルはこの記事へのコメントを拒否した。

巻き返すファーウェイ

中国の一部の人々にとって、携帯電話を買うことは政治的主張になっている。iPhoneを使うことは中国のハイテク企業に対して失礼なのか、それとも個人データをアメリカ政府に渡すようなものなのかという議論がネット上で巻き起こっている。昨年、いくつかの中国政府機関の職員が、仕事でiPhoneを使うなと言われたと報告した。

これらの指令は、ファーウェイが独自のオペレーティングシステム(OS)と、これまでの中国製よりも高度なコンピューターチップを搭載したスマートフォンMate 60 Proを発表してから2週間も経たないうちに表面化した。

ファーウェイは、アメリカのジーナ・レモンド商務長官による訪中の最終日にこの製品を発表した。中国のコメンテーターや国営メディアは、このような技術の開発を制限しようとするアメリカ政府の試みを前に、ファーウェイの勝利だと称賛した。

Mate 60 Proはすぐにセンセーションを巻き起こした。カウンターポイントのデータによると、ファーウェイはスマートフォン市場で2位のシェアを獲得し、前年の9%から17%に上昇した。

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