負けず嫌いな子どもを「無意識に潰す」親の特徴 成績が伸びやすく、向上心が高い子どもが多い

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親御さんや先生にお願いしたいのは、きちんと子どもに「どんな勝負に対しても、全力を出す心」を持たせてあげることです。そのためには、一緒にゲームや遊ぶときでも、子どもだからといって手を抜かないことが大事です。

よく、子どもが異常なまでに負けず嫌いだと「そんなに悔しがるな」と言う親御さんがいますが、そうではなくて、向き合ってあげることが必要だと思います。

親から見て、「そんなくだらないことで悔しがるの?」というようなことがあっても、「くだらないことでそんなに執着しないの!」とは言わず、「悔しいね。次はどうすれば勝てるかな?」と相談に乗ってあげることです。こうした姿勢を持っている大人が周りにいるかどうかは、子どもの成長にも大きく関わってきます。

以前担当した生徒で、授業中に踊り出す子がいました。「なんで踊ってるんだ?」と聞いたら、「正解したことが嬉しくて!」と言っていました。それくらい感情豊かで、勝ったときには喜んで、負けたときには泣くほど悔しがる子というのは、成績が伸びやすいです。実際、踊り出したその子はその後、国公立大学に合格しました。

生意気な生徒ほど、伸びる傾向がある

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また、塾で多くの生徒を見ていると、毎年一定数、「こちらを言い負かそう」としてくる生徒がいます。「先生はこう言っていましたけど、こうなんじゃないですか?」と聞いてくるような、一般的には「生意気」と呼ばれる生徒です。

意外に感じるかもしれませんが、こういう生徒の成績はかなり伸びる場合が多いです。先生に対してもしっかり勝負を挑み、先生も全力でぶつかると、生徒は大きくレベルアップすることがあります。

私は毎年、そういう生徒がいると「お!今年も来たな!」となんとなく嬉しく感じるものです。どんな「負けず嫌い」も受け入れてあげることが、その子の成長につながります。ぜひそう考えて、子どもと向き合ってみてあげてください。

川本 雄介 東大セミナー講師、ドラゴン桜コース責任者

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かわもと ゆうすけ / Yusuke Kawamoto

石川県の進学塾・東大セミナーで何千人もの生徒を担当し、彼らの可能性を見抜いて多くの東大生を輩出してきた「伝説の講師」。高校3年間などの短期間ではなく、小さい頃から指導を行うことで生徒を羽ばたかせる「現場の鬼」。楽しく熱意ある彼の授業はアンケートを取れば常にハイスコアで、生徒からの支持は圧倒的。また、本気で向き合う面談は生徒と保護者ともに「涙なくして終われない」と評判。現在、株式会社日本エルデイアイ取締役。

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