「解像度」が高まる"具体化思考トレーニング" 似たもの同士を比べて違いを問う

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それから、これも空港の書店ならではのケースですが、「そこでしか手に入らない」という本を置いている場合があります。例えば、地方の空港であったり、海外の空港であったり……。現地を紹介するローカルなガイドブックや郷土史の本など、そういう本が好きな知り合いに頼まれたり、あるいは気を利かせてお土産に買っていくというケースが考えられます。

これが新宿の書店の場合、例えば、書店の少ない地方在住の友人に頼まれて……といったケースはもちろん考えられますが、お土産として買っていくことは少々考えにくい。なぜなら、それこそ大型書店であれば、今どきは在庫検索も注文もネット上で完結するからです。従って、「空港=土産用」「繁華街=自分用」という違いがあると考えられます。

「YouTubeの視聴者」と「TVの視聴者」の違い

「YouTubeの視聴者」と「TVの視聴者」。あなたが仮に単体の消費者やユーザーの人物像を具体化したいとしても、こちらの問題でも同じく敢えて「似た者同士を比べて、違いを問う」ことで、具体化思考を加速させます。

この問題では、比べる際に「5W1H」(正確には、5W1Hに「Whom」も加える)を軸として使ってみましょう。

まず、How、「どうやって見るのか」。YouTubeを見るときには、検索して自分が見たい番組を選ぶという特性があります。「プロ野球の名シーンが見たい」「HIKAKINの動画が見たい」「時事ニュースが見たい」等々、自分が今見たいコンテンツを選んで視聴できます。

一方、テレビの場合は、近年ではBS、CSなどの多チャンネル放送を契約していれば選択肢の幅がかなり広がってきているものの、基本的には地上波とBSくらいの限られたチャンネルの中から、今放送されている番組を見ることになります。何となくテレビをつけて、「今どんな番組をやっているんだろう」くらいのノリです。見たい番組やいつも見ている番組はあっても、今まさに見たい番組を放送している、というタイミングはそうそうありません。

「YouTube=能動的」「テレビ=受動的」と言えるでしょう。時間だけでなく、場所も限定されます。Where、「どこで見るのか」という軸です。

YouTubeであれば、電車やクルマで移動をしている途中にスマートフォンで見ることもできます。

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