34年ぶり最高値「日経平均」が次に目指すところ 「思い出プット」を超えることこそ重要だ

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ここで、本来の意味でのプット・オプションについて説明をしておこう。

これは、ある決められた価格で売れる権利のことだ。

先物売りと似ているが、先物売りは必ず実行しなくてはならないのに対して、プットオプションは、「オプション」という言葉が示すとおり、権利であって、それを実行しなくてもよい。そのかわり、オプションは、タダでは入手できず、一定の対価を払わなければ取得できない。

さまざまな金融商品について、オプションの市場が形成され、取引が行われている。

ところで、本項の最初に「日本の株にプットオプションが付いている」と言ったが、それは、上記のような本物のオプションではない。

第1に、その権利は誰にも与えられているのであって、それを獲得するために対価を支払う必要はない。

第2に、いつでも売れるわけでなく、「そのうち売れる」ということにすぎない。

リーマンショックの引き金「グリーンスパン・プット」

これまで、「グリーンスパン・プット」とか、「バーナンキ・プット」ということが言われてきた。これは、「アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)が、景気が悪化すると、株価の下支えとなるように金融緩和政策を行う」という意味だ。グリーンスパン・プットは、リーマンショックの原因となった。

本物のプットは下値を支えるのだが、「思い出プット」は、イリュージョンによって、さもなければ下がる株価を吊り上げる。PERなどの指標はお構いなしだ。

もしそうだとすると、3万8915円87銭以上に大きく株価が上昇することにはならない。しかし、ある程度下がっても、底なしに下がるわけでない。「思い出プット」が株価を吊り上げてくれるからだ。こうして、生かさず、殺さず。半殺し状態が実現される。

日本経済の実態が半殺し状態だから、それと整合的だとも言える。

これは、ジョークでなく、真面目な話だ。

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