「ストロング系」愛飲者たちに起きていた大変化 愛飲していたシニア層でも中アルにシフト

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一方、高アルの市場規模は2020年に伸び悩んだ後、2021年からは減少に転じている。2023年にはピークの2020年と比べ20%以上減少し、1365億円となった。

高アルの苦戦要因として、度数が強すぎるお酒による健康への影響が懸念されたことが挙げられる。減少傾向が顕著となった2020年は、新型コロナの感染が急速に拡大した年でもあった。コロナの重症化リスクを下げようと健康志向が高まったことも高アルを控える動きにつながったと考えられる。

また、コロナをきっかけとして、生活様式は大きく変化した。コロナ前は、毎日のように通勤し、帰宅後に時間をかけずに酔いたい時に高アルを飲むこともあったのではないだろうか。コロナ以降は、在宅勤務や外出自粛により家で過ごす時間が増えたため、酔いやすさよりも、食事と一緒にお酒を楽しむことを重視するようになってきたとうかがえる。

加えて、家で過ごす時間の増加とともに家事の負担が増えたことも影響したようだ。お酒を飲んだ後も家事をしなければならないこともあり、あまり酔いたくないという心理があったのだろう。

低アル好きの20~30代でも人気だった「ストロング系」

アルコールの消費量はシニア層が多いとされているが、年代ごとに購入するチューハイの種類は異なるのだろうか。全国15〜69歳の男女約5万人のモニターから買い物データを継続的に聴取している「インテージSCI」から、飲酒が認められている20歳以上に絞って、チューハイの度数別・購入金額構成比の推移を年代別に見てみよう。

20~30代の若年層では、2013年に1~4%台の低アルの構成比が37.1%と最も大きかった。他の年代よりもお酒を飲む量が少ない若年層にとって、飲みやすい低アルが人気だったことが見て取れる。

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