彼女の場合、なりきる誰かとはテレビで見かける有名人だそうです。
場を明るく楽しませたいときには、あのお笑い芸人に。
ママ友同士で盛り上がりたいときには、辛口だけど嫌味のない、あの文化人に。
仕事で皆の意見に理解を示しながらリードしたいときは、あの有名司会者に。
結局は自分であることは変わらないのですが、この方法は驚くほど、心の負担を軽減してくれます。
いい人や真面目な人ほど、一言の言葉を発するにも自分の責任を、未来への影響を、未来の結果を気にかけてしまいがちです。
でも「人気者のあの人ならこう言うだろう」と気持ちを切り替えれば、心はラクになるものです。
自分の考えをストレートに伝えたり、本心を明かしたりする必要はありません。
「他の人格を演じる」という処世術を使えば、逃れられない人間関係の中で、できるだけ自分を守りながら、うまくやり過ごせます。
【テクニック➁】習い事をしてみる
2つ目は、利害関係のない場、たとえば趣味の教室など「離脱しやすい場」の人間関係の手放し方についてです。
「この人間関係は失ってもよい」という気持ちがわいてきたら。
無理・無駄を感じたら、そこから卒業してしまいましょう。
「でも、少し寂しくなってしまいそう」と心配なら、自分の成長のためにも、別の仲間を探してみましょう。
まったく別の領域で人間関係を新たに築いてみればいいのです。
新しい環境に飛び込んで、そこで視野を広げてみるのです。
するとそこへの好奇心が大きくなるため、「失ってもよい人間関係」について悩む時間は激減します。
たとえば、新たな趣味や習い事を始めてみるのもいいでしょう。
ヨガ教室に出かけて体を動かすのでも、スポーツジムに通うのでも構いません。
これまでの生活圏とは違った人たちと、新たな関係ができるはずです。
「コミュニケーションをとるのが苦手」という人でも、趣味や習い事に通う人たちとは目的が共通しているので、ラクに程よい距離感でのおつきあいができます。
そちらが充実するにつれ、「失ってもよい人間関係」への未練は、きれいさっぱりなくなるはずです。