「老後ひとり暮らし」危険な人が住む部屋の共通点 生前整理・遺品整理の専門家が見る「ポイント」

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生活情報サイトなどを見ると、寝具はだいたい週に1回は洗濯する人が多いようです。ひとり暮らしの場合、自分しか使わないし、寝られれば構わないとつい放置してしまうのは無理もないかもしれません。ただ、先々のことを自分で決定していたり、適度な人付き合いを保っているおひとりさまは、こういった面倒なこともしっかりとこなしている印象があります。

いつまでもモノが処分できない

モノに囲まれた部屋と、モノが少なくスッキリした簡素な部屋。あなたなら、どちらに住みたいですか?

これは完全に好みの問題ですよね。

モノが少なくて見た目がきれいな生活をしたい人は、それができていれば幸せです。

一方で、趣味が多くて、常に多くのモノに囲まれていたくて、それを実際に所有していることに満足を感じる人もいます。

他人からすると散らかり放題に見えても、自分の中では何がどこにあるかがだいたい把握できている、といった経験があなたにもありませんか? 

要するに自分の生活を自分で管理できているから幸せといえるのです。

「ゴミ屋敷」と「モノ屋敷」は違います。

「ゴミ屋敷」というのは、食事の食べ残しや空き缶、ペットボトル、タバコの吸い殻やペットの糞尿などがあふれていて、臭いもきつく、文字どおりゴミで部屋が埋め尽くされている家のことです。

一方「モノ屋敷」というのは、フィギュアやプラモデル、ゲームやCDやレコード、本や雑誌、あるいはブランド品など、趣味性の高いものが大量に収集されている家のことです。興味のない人にはゴミと変わらないものを集めていたとしても、周囲に迷惑をかけていない限り非難される筋合いはありません。

とはいえ、自己管理ができている人ほど、徐々にモノを減らしていく傾向があります。

私が仕事で知り合った80代後半の女性・林さん(仮名)は、着物や食器のコレクションをどんどん処分しています。私たちから見ても、そこまで減らす必要はないのではないかというほどの勢いです。

「もう、私は絶対に着ることはないし、娘も欲しがらないから、いらないの」

林さんはそう言います。

「でもね、いいものもあるから、それは価値のわかる人にあげたいの。それで、よくないものは捨てて身軽になりたい。だって、この先、使うことはないんですもの」

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