ジャケットの下のセーターが野暮ったい人の盲点 ビジネスシーンで使えるニットアイテムの選び方

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そもそも「カシミヤが、ヤギの毛である」ということを知らない人も意外にいるようです。羊の毛であるウールに比べ、カシミヤは「保温性」と「肌さわりの滑らかさ」を両立した生地感。そして何より油分が多く含まれていて、「しっとりした光沢感」が特徴です。

ところがカシミヤ100%のニット地は、その風合いを生かすため、あえて糸の捻じりを甘くしているものも多く、「抜けた毛がジャケットにつきやすい」という弊害も忘れてはいけません。

一方、異なる素材をブレンドすることで、毛を抜けづらくしているカシミヤニットも見かけます。そこで他の生地の特徴を知っておくと役立ちます。

必ずしも「化学繊維がNG」と言えない理由

連想しやすい天然繊維に比べ、化学繊維については、原料から生地の特徴をイメージしづらいもの。ここではニットの素材表記で見かけるアクリルやナイロンについて解説します。

摩擦には強くないアクリル混のウールセーター(写真:筆者撮影)

石油系素材を原料とするアクリルは、柔らかく保温性もあるため「ウールに近い素材」と言われています。リーズナブルな価格で購入可能ですが、「摩擦に弱く、毛玉ができやすい」というデメリットも見逃せません。

つまりピタッとしたジャケットでは、生地同士の摩擦により、セーターやカーディガンの袖やわき腹付近に毛玉ができやすいのです。普段は隠れていた毛玉も、ジャケットを脱いだ瞬間に悪目立ちするリスクもあるため、買い替えサイクルに注意したいところ。アクリル混をビジネスウエアに用いるならば、着用頻度にもよりますが、2シーズン程度の買い替えがおすすめです。

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