筋トレだけでは身体能力がアップしない理由 最強の身体能力のカギは"脱力スキル"にある

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それでは、実際のトレーニングがどのようなものなのか、今回は脱力トレーニングの基礎であるフェーズ0のトレーニングの中からひとつ紹介しましょう。

体幹と腕のつながりを強化する「後ろわき刺激」です。

「後ろわき刺激」トレーニング

『最強の身体能力』P.116~117より

後ろわきは肩甲骨周りにおいて「力を入れるべき部位」です。ここが働くようになることで肩甲骨周りの力みが抜けて、動きの自由度と力の伝達効率が向上します。

後ろわきのくぼみには体幹・肩甲骨・腕をつなぐ筋肉がたくさん重なっています。くぼみを押さえたまま腕を回すことで使いたくない筋肉の動きが抑えられ、力を入れるべき部位だけが働きやすくなります。

<ここをチェック>
・刺激する前より改善されていればうまくできている
・片側だけ行って左右を比較すると変化がわかりやすい

同じくフェーズ0の「腰腹呼吸」、「みぞおちのコントロール」、「もも裏刺激」などと一緒に行ってみてください。繰り返すうちに、体幹の安定、力を入れるべき部位の働きアップ、脱力の感覚がわかってくるかと思います。

筋力トレーニングと脱力トレーニングをうまく組み合わせ、高いパフォーマンスを生み出しつつ、ケガをしにくい体をつくりましょう。

最強の身体能力 プロが実践する脱力スキルの鍛え方
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中野 崇 スポーツトレーナー、理学療法士、JARTA international 代表取締役

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なかの たかし / Takashi Nakano

1980年生まれ。大阪教育大学教育学部障害児教育学科(バイオメカニクス研究室)卒業。2013年にJARTAを設立し、国内外のプロアスリートへの身体操作トレーニング指導およびスポーツトレーナーの育成に携わる。イタリアのトレーナー協会であるAPF(Accademia Preparatori Fisici)で日本人として初めてSOCIO ONORATO(名誉会員)となる。イタリアプロラグビーFiamme oroコーチを務める。また、東京2020パラリンピック競技大会ではブラインドサッカー日本代表フィジカルコーチとして選手を支えた。
 

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