窃盗、性被害「表面化する避難所犯罪」の安全対策 被災地では特別機動捜査部隊が50人体制で警備

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減災と男女共同参画研修推進センターでは、避難所での女性や子どもに対する犯罪を防ぐためのチェックシートを公開している。主な行動指針は以下のようになっている。

避難所での犯罪対策について

【災害時の防犯啓発・対策について(減災と男女共同参画 研修推進センターより)】
・性暴力・DV防止に関するポスター等を避難所の見やすい場所に掲示する
・トイレ・更衣室・入浴設備を適切な場所に設置し、照明や防犯ブザーで安全を確保する
・避難所の巡回警備は男女ペアで行う
・女性トイレと男性トイレは離れた設置され、安全で行きやすい場所にある
・女性トイレや女性更衣室には女性が巡回する
・女性相談員や女性専用窓口を設置する
・警察、病院、男女共同参画センターや女性支援団体と連携する

 特に避難所の設置・運営に関して留意すべき点を提言している。

【避難所の設置・運営(減災と男女共同参画 研修推進センターより)】
・避難所の管理責任者に、男女双方を配置する
・避難者による自治的な運営組織に、女性の参画を促す。少なくとも3割以上が女性となることを目標にする
・「避難所チェックシート(以下)」を活用し、巡回指導を行う
・避難所での生活ルール作りを行う際には、女性の意見を反映させるように促す
・避難者の中には、DVやストーカーの被害者が含まれている可能性もあることから、避難者名簿に個人除法の開示・非表示について確認を行う欄を設け、個人情報の管理を徹底する
減災と男女共同参画研修推進センター「チェックシート」

なかでも、避難所でのトイレの問題は被災者にとっては深刻な問題であり、配慮が求められる。

避難所のトイレはほぼ非水洗であり、不衛生なトイレになると「集団感染」「災害関連死」「治安悪化」を引き起こすと指摘するのは、日本トイレ研究所代表理事の加藤篤さんだ。

加藤さんは「避難所のトイレのほとんどは照明が暗く危険であり、トイレの照明をなるべく明るくすることが必要」と強調する。トイレの中の照明はもちろん、トイレに至るまでのルートの照明を明るくすることで犯罪防止につながるという。

(関連記事:災害時トイレ「3つの深刻な問題」解決のポイント

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