拝啓ヴィレヴァン様、"復活の秘策"を考えました 無機質な雑貨屋になってしまわないために…

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①については、ヴィレヴァンが持つ「サブカル」的な空間が、「サブカル」自体の意味が多義化する現代で曖昧になり、店のターゲティングも曖昧になってしまったということだ。②については、ヴィレヴァンが持つ「この文化を知るべきだ」というある種の押し付けがましさが、現代の消費動向にマッチしていない、ということを書いた。

もちろん、その衰退の理由については、上記2点以外にもさまざまあると思う。SNS上ではさまざまな「衰退理由」が散見された。代表的なものは下記の2つである。

①ショッピングモールへの出店によって、ヴィレヴァンの独自色が失われた

②かつてヴィレヴァンで取り扱っていたアングラ色の強い商品(エロ・グロ・ナンセンス)の取り扱いがなくなった

以下、それぞれ見ていこう。

ショッピングモールに出店し、「毒」が薄まった

①についてだが、ヴィレヴァンはある段階からイオンモールをはじめとするショッピングモールへの出店を強めていく。たしかに、私の印象でも、地方のモールに行くと、そこにはだいたいヴィレヴァンが入っているイメージがある。

いま、おもむろにヴィレヴァンの公式ホームページで、イオンモールに入っているヴィレヴァンの数を数えると、全店舗数の半数を超えている(約180店舗)。また、イオンモールに限らず、ショッピングモールに入っているヴィレヴァンの数を数えると、全店舗数に占める数は非常に大きい。

ショッピングモールへの出店は、モール側の取り決めの影響を受けるだろう。だから、必然的にヴィレヴァンが持ってきた「サブカル」空間が薄まってしまう。

ヴィレヴァン
この雰囲気に、ワクワクしていた読者も少なくないはず(筆者撮影)/配信先では写真をすべて見られない場合があります。本サイト(東洋経済オンライン内でご覧ください)
次ページセレクトに”尖り”がなくなったのも大きい?
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