スバル「KINTO参入」もサブスクに大きな障壁 オートサロンで感じた「所有から共有」の現実

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若い世代を意識しているため、スバル×KINTOのPR画像はポップなイメージで「スバルをコミコミ、ポチるだけ!」というキャッチフレーズが添えられている。

展開する車種は、今夏時点で複数モデルを用意し、その後は市場動向を見ながら対象モデルを拡大すると見られる。

「SUBARU × KINTO」のポップなイメージイラスト(写真:SUBARU)
「SUBARU × KINTO」のポップなイメージイラスト(写真:SUBARU)

一方、東京オートサロンの真骨頂であるチューニングカーやカスタマイズカーなど、クルマに対する熱量が高いクルマ好きにとっては、「サブスクに手を出すのは難しい」というのが、一般的な捉え方であろう。

なぜならば、クルマにかけられる資金とその投入時期を自分のペースで考え、「手塩にかけたクルマとずっと一緒にいたい」という“愛車意識”が強いからだ。

「クルマ好きが好むブランド」サブスク参入の意味

特に近年では、若いころに夢見ていた往年のクルマのチューニングカーやカスタマイズカーをコレクターアイテムとして“大人買い”する中高年も多く、そうした人たちは「死ぬまで手元に置いておきたい」という意識が強い。

そんな大人買いでは現金一括購入の人もいるが、一般的にチューニングカーやカスタマイズカーの購入では、ローンを組んで毎月コツコツ支払う人が少なくない。

トヨタ86のエンジンをカスタマイズしたチューニングショップのデモカー(筆者撮影)
トヨタ86のエンジンをカスタマイズしたチューニングショップのデモカー(筆者撮影)

そもそも、東京オートサロンは主催者の出版社が発売するチューニング雑誌のファンイベント的な存在として始まっており、同誌に掲載されている全国各地の有名チューナーとユーザーとの商談の場としてチューニング等をパッケージ化してローン販売するとの意味合いが強かった。

それが今では、自動車メーカー各社が新型モデルを発表する国際モーターショー級の大規模イベントへと変貌している。そうした中で、「クルマ好きが好むブランド」のイメージが強いスバルが、新車サブスクへと舵を切ったのだ。

1980年代の東京オートサロン創成期からチューニングカー・カスタマイズカー業界と接してきた身としては、今回「大きな時代の変わり目」に立ち会ったような気がしている。

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