Fedの歴史的教訓を学び、将来の金融政策を見通す 『21世紀の金融政策』など書評4冊

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ブックレビュー『今週の4冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『21世紀の金融政策 大インフレからコロナ危機までの教訓』

・『トルコ100年の歴史を歩く 首都アンカラでたどる近代国家への道』

・『すごい音楽脳』

・『クジラと話す方法』

『21世紀の金融政策 大インフレからコロナ危機までの教訓』ベン・S・バーナンキ 著
『21世紀の金融政策 大インフレからコロナ危機までの教訓』ベン・S・バーナンキ 著/高遠裕子 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・東京都立大学教授 松岡多利思

過去数十年、中央銀行の金融政策の手段や枠組みは大きく変化した。世界金融危機やパンデミックを経験した各国の中央銀行は、数々の非伝統的金融政策を実施してきた。2020年にパウエルFRB議長が述べたとおり、まさに「我々はこれまで踏み越えてこなかった一線を、いくつも踏み越えた」のだ。

本書は06~14年にFRB議長を務めた著者による待望の新刊だ。米国の中銀である連邦準備制度(Fed)が、第2次世界大戦以降どのように歩み現在の姿に至ったか、課題から何を学び将来どう進化していくのかを、「歴史のレンズ」を通して検証する。

Fedの歴史的教訓を学び、将来の金融政策を見通す

とくにFedの政策手段、政策枠組み、コミュニケーション戦略の変化を論じる。画家のポール・ゴーギャンに『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』という作品があるが、著者はFedについてこれらの問いに答えようとする。

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