藤川球児の選択が、至極「理想的」である理由 投じる一石が三鳥、四鳥になるかもしれない

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(写真:日刊スポーツ / アフロ)

前回は世間を騒がせた「ドローン少年」や、そのほか「つまようじ少年」「バイトテロ」など、若者によるインターネットへの無軌道な投稿が世間を騒がせていることを題材にし、私たちがネット投稿で取り返しのつかない失敗をしないために、どのような実践的・技術的対策が立てられるかを検討しました。

さて今回は、アメリカの大リーグ・テキサスレンジャーズから、日本の独立リーグ、四国アイランドリーグplus・高知ファイティングドッグスに電撃入団が決まった藤川球児投手の意思決定について、そのプロセスをアンガーマネジメント的に検討してみます。

プライドも踏まえての「現実的選択」

藤川投手は、メジャーリーグ退団後、「火の玉ストッパー」として活躍した阪神タイガースへの再入団が確実視されていましたし、また阪神側も交渉解禁後に即アタックし、正式オファーを出していたと、マスコミ各社は報道していました。

しかし、藤川投手の出した答えは、「とにかく投げる喜びを一番に感じられる場所で腕を振りたい。必要とされる場所で投げたい。そして家族と一緒に居たい。僕と妻の生まれ故郷の高知で、未来のスーパースターになるチャンスを持った子供達に僕が投げる姿を見てもらって今後の夢に繋げて貰いたい!」というものでした(公式ブログより)。

しかも、高知球団側が藤川投手にオファーを出したわけではなく、藤川投手サイドから高知球団の梶田宙(ひろし)社長へ「入団の意思がある」との連絡があり、急展開での入団発表となったのです。

右肘の靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)をし、メジャーリーグの復帰後に結果を出せなかった藤川投手。現時点での投手としての実力を疑問視する声が多かったのは事実です。

ただ藤川投手はあるスポーツ番組で、右肘は「全然悪くない」と完治していることを断言し、「アメリカは本当に契約社会。自分も契約にとらわれていました。日本の場合は感情が入り、リリーフでなく『救援』。誰かを助ける、いつも誰かのためにと思ってやっていた」と、アメリカでの2年間を日本時代のようには感じられなかったことを説明しました。

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