日本人が憧れるフランス生活の「本当の質」

優雅さの裏で手放すものもある

生活するうえでは不便なことも多いパリだが、今なお、世界中からの観光客を引き付ける魅力があるのも事実

フランス女性のライフスタイルや子育てに学ぶ本が人気だ。昨年10月に発売された「フランス人は10着しか服を持たない」(大和書房)では、米国人女性がフランスの貴族の家にホームスティをした体験をもとに、暮らしの質を高める秘訣を説く。

3月に発行された「フランス人は子どもにふりまわされない」(CCCメディアハウス)では、パリ在住の米国人女性が、子どもの自立を促すといったフランス流子育てを伝授する。やはり3月に発行された「フランス女性の働き方」(日経ビジネス人文庫)は、フランス生まれの女性が、仕事と人生を楽しむコツを披露する。

これらの本に描かれるフランス女性は、仕事や生活、育児を自分のペースで楽しんでいて、うらやましい限りだ。先日「フランス女性はなぜ仕事を続けられるのか」でふれたように、女性が働きやすい環境であることはたしかだ。しかし、フランスでの生活の質は高いのだろうかと考えると、疑問が頭をよぎる。

本当にフランスでの生活の質は高いのか

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フランスで実際に暮らしてみると、がっかりしたり、苦労したりすることが多い。

いちばん困るのは、家の中の設備が次から次へと故障するうえ、なかなか直せないことだ。どんどん建て替える日本と違って建物が古いうえ、水道水に石灰分が多いため、トラブルが起こりやすいという面もある。

私が家族で住んでいたパリのアパルトマンの建物は築50年とパリでは新しいほう(周囲の建物は築100年を超えていた)だったが、たびたび災難に見舞われた。

入居早々、トイレの水が止まらなくなった。水道修理工を呼ぶが、すぐには来てもらえない。3日後に来てくれることになったが、約束の時間は「午後」という大ざっぱなもの。午後中ずっと待って、やっと修理してもらえたが、修理工が帰った後、水を流すとまた止まらなくなる。同じ修理工が再度来ても直らず。3度目に「修理工の学校で教えている」というベテランが来てやっと直った。問題解決まで1カ月近くかかった。

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