5年でFIRE達成の投資家「新NISAよりiDeCo」の訳 将来資産が増えない人が知らないすごい仕組み

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「控除」とは掛け金のぶん所得が少ないものとみなされるということであり、それだけ税金が少なくなるのです。

また、会社員の方は年に一度送られてくる「小規模企業共済等掛け金払込証明書」を会社に提出すれば、確定申告も不要です。

「平均年収1年分」に匹敵する節税効果も!

iDeCo は加入している年金区分によって拠出できる金額に違いがあり、節税メリットには違いが出ます。一般的なビジネスパーソンは第2号被保険者に該当し、最大で月額2.3万円の拠出が可能です。詳細はiDeCo公式サイトをご覧ください。

年収461万円の会社員(第2号被保険者)が40歳で加入し、満額(月2.3万円)運用した場合でシミュレーションしてみます。

この場合、1年あたりのiDeCo での税制優遇額(所得税+住民税)は、4万9131円で、仮に65歳までの25年間運用した場合の税制優遇額の合計は1228275となります。

なんと年間5万円近くのお金が浮く計算になります。浮いた分のお金はNISAの運用に回すこともできるので、iDeCoを活用した場合と活用しなかった場合の差はかなり大きくなることはいうまでもないでしょう

また、サイドFIREを達成し、個人事業主として開業した場合、加入する年金区分が変わる(第1号被保険者)ため、iDeCoの上限が月額6.8万円まで引き上がります。

年収600万円の個人事業主が満額運用した場合のシミュレーションも行ってみると、年間の税制優遇額が16万3200円、65歳まで運用した場合の税制優遇額の合計は408万円となります。

ここまでくると、ビジネスパーソンの平均年収1年分にも匹敵するほどの金額が浮くことになります。

40歳スタートでこの結果なので、始めるのが早いほど優遇額は上がっていきます。ここまでの税制優遇を受けつつ、運用先は全世界株式やS&P500の超低コストファンドを対象にでき、運用益も非課税になるのですから、もう使わない手はないでしょう。

さらに、iDeCoによる節税で浮いた分のお金は再投資に回すことができます

年収461 万円の会社員が月2.3万円で25年間運用すると、年額4万9131円(約月4000円)をiDeCo の節税効果によって残せる、というシミュレーションの結果でした。そのお金を全額年利3%で再投資すると、なんとプラスで178万円もの資産形成になります。

この結果はあくまでもシミュレーションではありますので、必ずそうなることを保証するものではありませんが、かかる手間に対して支出削減と資産増のインパクトを合計すると、決して無視できない金額です。

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