東大生語る「頭がいい人」は「語彙力高い」その根拠 「目的と目標」「信頼と信用」どう意味が違う?

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その中で、とある女の子がプレゼンの中で「子どもの自己肯定感を育めるような教育が必要だ」ということを語ったそうです。

質問もある程度事前に想定されていたとおりのものが来て、うまくこなすことができたそうなのですが、後半に入ってからの先生からの予想外の質問に驚愕したのだそうです。

「あなたはプレゼンの中で、『自己肯定感』という言葉を使っていましたが、その言葉が一般的に認知されている言葉の定義と、違う部分があるかもしれないと考えたことはありますか?」

20個以上質問を想定していた彼女でも、この質問は完全にノーマークだったそうです。確かに言われてみると、「自信」という意味で「自己肯定感」という言葉を使う人もいれば、「前向き」という意味で使う人もいるでしょう。

もしその人が「自信」という言葉と同義で「自己肯定感」という言葉を使っているとしたら、「自信と関係ない意味の自己肯定感」を見落としてしまう危険性があるわけです。ですから、その人の考えの甘さを指摘するために、「自己肯定感」という言葉の定義をどう捉えているか聞いたわけですね。

言葉を分けて使えない=理解できていない

言葉を「分けて」使うことができていないというのは、その概念を「わかって」いないということと同義なのです。ちなみに、「わかる」という言葉と「分ける」という言葉が似ているのは偶然ではなく、もともと「わかる」という言葉の語源は「分ける」であるという説があります。「わかる」は、「分ける」なのです。

ですから、言葉の使い分けをできるくらいまで、語彙力を身につけることが大切です。

語彙力を高めるためには、普段使っている何気ない言葉の使い分けを意識しながら生活するのです。

例えば、スーパーに行って「食料品コーナー」を見たら、「食糧と食料ってどう違うんだろう?」とぼんやり想像してみるのです。そして、ネットでいいので、調べてみましょう。スマホを使えば一発です。

ちなみに「食糧」は「主食の食べ物」のことを言い、より幅広く食べ物全般のことを指す場合は「食料」と言います。

「食糧」の「糧」は、「かて」と読みます。「かて」とは、つまり生きていくうえで必須のもの、という意味合いがあります。

生きる「糧」になる、これがないと人間が生きていけない、というような食べ物のことだから、「食糧」と書くのです。そのため、「食糧」と呼ぶときには、お米や小麦などの主食に対して使われます。

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