東大生語る「頭がいい人」は「語彙力高い」その根拠 「目的と目標」「信頼と信用」どう意味が違う?

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目標は英語で言えば「target」です。目的にたどり着くために立てる中間の指標や、行動・数字のことを指します。

例えば「お金持ちになるために、こういう企業に入社する」とか「英語がペラペラになるために、英単語を2000個覚える」というようなことを指します。

「目的」「目標」の違い以外にも、使い分けが必要な言葉はたくさんあります。

日本語を使うことに不自由がない、という人でも、「信頼」と「信用」という言葉を使い分けて使っている人は稀でしょう。「食料」と「食糧」、「偏在」と「遍在」のように、読み方が同じでも意味が異なる言葉もありますが、間違って使っている人も多いです。

言葉を混同すると、さまざまな影響も

微妙に意味が異なっている言葉を、しっかりと使い分けて使っている人とそうでない人で分かれるのです。

そして、言葉というのは不思議なもので、ただ言葉としてこの違いを理解していないというだけで、いろんなところで少しずつ差が出てきてしまいます。

例えば、この「目的」と「目標」を混同している人は、勉強していても、仕事をしていても、結果が出にくくなることがあります。

「今日の勉強の目的は?」と聞いたときに、「宿題を終わらせること」と答える子って多いですよね。でもこれって、「目標」であって「目的」ではありません。

「その宿題を終わらせることで、どうなりたいのか」まで考えていないと、目的がない勉強をしてしまうことになります。

「この分野の問題が解けるようになる」「昨日習った分野の復習をする」というような目的を考えられている人のほうが、成績は上がりやすいのです。

「目的」と「目標」を混同しているだけで、目的の概念が自分の頭から抜け落ちてしまい、結果につながらない努力をしてしまうことがあるのです。

これを知っているからか、東大の先生たちも、言葉の使い分けにはとても厳しいです。大学の授業でも「地方経済についての話をしますが、まずは地方という言葉の定義からしましょう」と始まることが多いです。論文でも使い分けはとても厳しくチェックされます。

例えば、こんな話もあります。東大は数年前から推薦入試を課しており、そこでは東大の先生が受験生と面接して「彼/彼女を、東大に合格させるべきか否か」を判断しています。

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