【産業天気図・住宅/マンション】マンション活況に押されて戸建ては厳しい

マンション業界の活況が続いている。首都圏の新築マンションの供給戸数は、今2005年度もバブル期の2倍の水準に当たる8万戸以上に達しそうな勢いだ。主要顧客層である50歳代が都心に移り住む傾向にあることや、団塊ジュニアである30代前半の世代が1次取得に乗り出していることが大きい。山手線内の好立地では用地取得価格が路線価の3倍以上に値上がりしているところもあり、一部地域ではマンション販売価格の上昇傾向が鮮明になってきた。
 他方、戸建て市場はマンションに押されて総じて漸減傾向にある。4月~9月の新設着工戸数で、戸建ては前年同期比7.3%減に落ち込み、住友林業<1911.東証>は期初の増益予想を一転して減益予想へ下方修正している。
 また、11月下旬には建物の強度を計算する構造計算書を姉歯建築設計事務所が偽造していたことが明らかになった。偽造物件の発覚は今後ますます増えていく可能性があり、その影響が懸念される。
 上場各社は自社物件を調査し、姉歯の構造計算を使用した事実がないことを発表している。不動産を買い取って再販するアルデプロ<8925.東証マザーズ>は、既に他社が建てた物件を取り扱うため、仕入れの際は1棟当たり100万円の費用をかけて耐震性のチェックを第三者評価機関に依頼することにした。 
 以上を空模様に例えれば、マンションは当面『晴れ』が続きそうだが、戸建ては『曇り』といえよう。ただ、姉歯事件の余波が今後さらに大きく広がれば、業界全体の足を引っ張ることにもなりかねない。
【藤尾明彦記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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