新NISA、今知っておきたい「年齢別・職業別」活用法 iDeCoとうまく併用しながら資産を増やす

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国民年金基金は年金を終身でもらえるのが魅力ではありますが、加入時の金利がずっと適用されるので、1990年代前半の高金利時代には人気だったものの、最近は低金利のため新規加入者数は細る傾向にあります。

掛け金がiDeCoとの合算で月6万8000円までというルールもあり、個人的には、自分の判断で運用ができるiDeCoを優先して考えるのがいいと思います。

そして言うまでもなく、NISAも自営業・フリーランスの人ほどしっかりと活用し、資産を積み上げていくのがいいでしょう。先ほど、NISAは老後資金をつくっていく上では助っ人のような存在と書きましたが、この助っ人、なかなか頼もしい存在なのです。

NISAも活用して豊かな老後を目指す

さて、ここまでお話ししてくると、NISAとiDeCoの地図がどうなっているかはだいたいお分かりですよね。

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老後に向けた私的年金としてのiDeCoが最も必要なのは自営業・フリーランスの人、次に必要性が高いのは企業年金の制度がない会社に勤めている人ということになります。実際、2016年まではiDeCoに加入できるのはこの2つのケースに該当する人だけでした。

最近では、公務員や専業主婦なども含め、現役世代のほぼすべての人がiDeCoに加入できるようになっています。

ただ、必要性に合わせて掛け金の上限額は設定されていますし、それほど大きな枠ではありません。豊かな老後を目指すというのであれば、NISAも大いに活用して、公的年金に上乗せするまとまった資金を準備していくことを考えるべきだと思います。

大江 加代 確定拠出年金アナリスト

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おおえ かよ / Kayo Oe

大手証券会社に22年勤務、サラリーマンの資産形成にかかわる仕事に一貫して従事。退社後、夫の経済コラムニストである大江英樹氏(株式会社 オフィス・リベルタス 代表)を妻として支える一方、確定拠出年金の専門家としてNPO確定拠出年金教育協会 理事、企業年金連合会 調査役として活動。野菜ソムリエの資格も持つ。

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