「頭がいい人」が外での勉強を勧める納得の理由 家勉派の人も「外勉すべきタイミング」がある

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集中の邪魔になる雑音として、たとえば、外から聞こえる街宣車の声や、選挙カーの演説が挙げられます。また、会場内では、ほかの受験生のたてる音が気になることがあります。

私の経験でも、電卓をたたく音や消しゴムをかける音がとても大きい人が近くにいたことがありました。試験中、ずっとぶつぶつと独り言を口にしている人もいました。

また、珍しいことではありますが、試験官によって集中を乱されることもあります。

これまででもっとも気になった人は、移動中にガタガタと音を立て、ほかの試験官と普通のボリュームで会話したうえ、計測を誤ったようで、試験時間を1分短く切り上げました。明らかに問題のあるケースだったと思いますが、受験生の一人に過ぎない私が抗議しても状況を変えるのは極めて難しかったと思います。

それらの対策にエネルギーを割いてしまうと、解答に集中できなくなり、焦りが募ります。運悪く、試験場で集中を乱される状況に置かれた場合は、いさぎよくあきらめて、目の前の問題に集中するべきです。あらかじめ、本試験においても気が散る状況を想定しておけば、いざというときの動揺を軽減できます。

そのために、ある程度の雑音が出る環境に慣れておくことは悪くないはずです。

ルールとルーティンを決めておく

外では自宅以上に短時間で集中することが求められます。そのためのコツは、ボーッとする時間をなるべく作らないように、目先をすぐに変えることです。

同じ科目を長い時間繰り返していると、どうしても飽きてしまいます。そこで、15分や20分で科目を区切り、何周もするサイクルをつくって取り組むほうが、集中しやすいです。スポーツでいうサーキットトレーニングに近いイメージで、だらだら取り組むことは避けましょう。

限られた時間で密度を高めるには、すぐに勉強のスイッチを入れることが大切です。どの席にしようか考えたり、勉強前にお茶を飲んだりすることで、時間はどんどん浪費されます。そのため、外勉のルールとルーティンをあらかじめ決めておきましょう。

席は毎回同じ場所にし、座ったらすぐにテキストと問題集を取り出しましょう。取り組む科目、使うテキストも、毎回同じ順番にすることが理想的です。事前に何に時間を割くかを決めていないと、スケジュールを考えることに時間を使うことになります。

独学受験生は専業受験生より時間的に不利なケースが多いので、余計なことに時間を使わずに済むよう、ルーティンを決めておくと楽ができます。スティーブ・ジョブズが毎日同じデザインの服を着ていたのは有名です。これは、服を選ぶという意思決定を減らすことが、理由の一つだったと言われています。同じように、勉強の機会ごとに場所を決めたり、科目の順番を決めたりすると、ムダなエネルギーを使ってしまうことになります。なるべく同じ場所、同じ順番、同じ時間を繰り返すようにしましょう。

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