新NISAで初心者が知ると役立つ「株式分割の意味」 個人投資家にとってどんなメリットがあるのか

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下図がその結果です。図表の〇印に示されるように、グラフは低下しています。これは分割した日から7日後まで分割銘柄の株式パフォーマンスは厳しいものとなったことが示されます。

その後、グラフは持ち直していますが、休日や祭日を除いた日数ベースで100日後ですから、おおむね4カ月後までを見るとグラフ上の□印に示されるように、ゼロ%を下回っていました。4カ月後までで平均してプラスの収益が得られていないということです。

要約すると、株式分割銘柄は分割日以降の短期で見ても、4カ月程度とある程度の期間で見ても株式のパフォーマンスは優れないということです。株式分割により、株式の買い需要が増えて、株高にもつながる可能性が期待されましたが、そのような結果にはなりませんでした。

株式分割の発表日以降の傾向を見ると…

しかし、パフォーマンス計測の基準日を変えて分析すると、別の結果が見られました。上図では分割日以降の株価をみましたが、下図は発表日以降の傾向を見ています。発表日は基本的には株式分割を取締役会で決議した日になります。

下図は〇印に示されるように、発表日の翌日に平均して5%を上回る超過収益率となりました。また、矢印に示されるように、100日後に向けて緩やかに上昇しています。つまり、発表日以降は短期的にも、4カ月程度のある程度の期間で見ても、プラスの収益が得られやすいということがわかります。

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