【産業天気図・電子部品】震災影響は限定的、スマートフォン活況が寄与し好調継続

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予想天気
11年4月~11年9月 11年10月~12年3月

電子部品業界の景況感は、前半(2011年4月~9月)、後半(11年10月~12年3月)ともに上向きとなりそうだ。東日本大震災の影響は前半の伸び鈍化につながる程度。通期ではスマートフォンなどの成長に後押しされる。

リーマンショック後、いったん冷え込んだ電子部品業界は、10年初から徐々に回復してきた。復調を牽引したのたのが、携帯電話やノートパソコンの普及だ。ノートパソコンの需要は10年後半にいったん足踏みしたものの、11年初からはまた堅調に動き始めている。

今期(11年4月~12年3月)、大きな牽引役となるのはスマートフォンだ。内外で大きく伸びている。TDKは高周波部品、村田製作所はセラミックコンデンサーが大きく伸びる。京セラの半導体部品、太陽誘電の積層セラミックコンデンサーにも上乗せ効果ガ期待できるだろう。スマートフォンのほか、新興国向けの需要も引き続き強い。中国、インドなどで携帯電話の需要が増えているほか、家電、ノートパソコン向けも安定している。

懸念があるとすれば、東日本大震災に伴う生産活動への影響だ。震災以降、一部の部品調達が滞るなどサプライチェーンへの影響が出ており、現在も解消されていない。また、自動車業界を中心とした上期の減産の影響も受ける。
 
 京セラの久芳徹夫社長は、「半導体関連を中心に調達面で確定していない部分がある」とみて、部材調達面での乱れから上期の国内生産が一時的に停滞すると見ている。村田製作所も、震災に伴う顧客の減産と部品調達難を慎重に見ており、上期330億円、下期50億円の減収を計画に織り込んでいる。

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