セミナーレポート

顧客・市場の動向分析と
有効活用はここまで進化した

拡大
縮小

事例講演Ⅱ
朝日カルチャーセンターの事例から見る、
顧客の嗜好を掴む行動履歴とレコメンデーション

青木 淳夫
ネクストスケープ 事業本部第二SI部 アーキテクト

ネクストスケープの青木淳夫氏は、同社が構築した朝日カルチャーセンターのウェブサイトに組み込んだ、機械学習によるレコメンデーション機能を紹介した。同サイトは、CMS(コンテンツ管理システム)の手動設定によるレコメンデーション機能も使っているが、1期(3カ月)で全国約1万に上る講座すべてを手動設定するのは難しい。そこで、マイクロソフトのクラウドソリューション、Azure(アジュール)の機械学習サービスで自動化したレコメンデーションを併用した。クラウドベースのシステムにわずか2週間で実装。分析用サーバーも不要で、一般的サービスの10分の1の運用コストで、1訪問あたり閲覧講座数は1割増えた。青木氏は「機械学習による予測分析は難解なイメージがありますが、アジュールは、高度な専門知識がなくてもドラッグ・アンド・ドロップの操作で設定可能。分析結果をスムーズにサービスに反映できます」と手軽さを強調した。

事例講演Ⅲ
ナレッジコミュニケーションの口コミサイトにおける、
機械学習の効果

奥沢 明
ナレッジコミュニケーション 代表取締役CEO

教育系サイト「ナレコム」運営やSI事業を手掛けるナレッジコミュニケーションの奥沢明氏は、機械学習による課題解決について語った。ナレコムは、ユーザーが求める情報にたどり着くまで探す手間がかかること、不正書き込み削除作業の増大、スタッフの経験と勘に頼ったSEO(検索エンジン最適化)の信頼性…という三つの課題を抱えていた。これらの対策に機械学習が有効と判断した同社は、わずか2週間でアジュールを実装、ページビュー、離脱率ともに改善した。アジュール選定の理由について奥沢氏は「検証、答え合わせをしたうえで、有益と判断できたロジックを実装できるのが強み」と指摘。さらに、日付などに気象データも加味した精度の高い需要予測、IoT(モノのインターネット)の膨大なデータからの異常検知といった使い方もできる。奥沢氏は「紹介した活用法はごく一部。アジュールの機械学習はお客様のさまざまな課題を解決することができるはずです」と述べた。

事例講演Ⅳ
「顧客時間と時間を共有する」
CRM & Digital Marketing戦略
ネットとリアルの融合をキーワードに

奥谷 孝司
良品計画 web事業部部長
 
濱野 幸介
良品計画 web事業部 CMT(チーフ・マーケティング・テクノロジスト)

無印良品を展開する良品計画の奥谷孝司氏は「購買データだけでなく、購入前の検討、購入後の使用消費を可視化して、お客様との絆を作ることが大事」と述べ、スマートフォンアプリ「MUJIパスポート」を中心としたデジタルマーケティングについて語った。SNSで友人の評判を見て、検討、購入し、その評価をSNSに戻すサイクルができた今は「お客様に寄り添ってコミュニケーションする」ことが重要。また、せっかくキャンペーンで関心を高めてくれた顧客との関係性を維持するためにもパスポートを導入。これにより、セール期間の告知などメディア機能のほか、ログインした日時・場所のデータを蓄積した商圏地図など、さまざまなデータを取得できるようになった。
濱野幸介氏は、マイクロソフトパワーBIを使ったデータのデモを披露。一般社員にもなじみのあるエクセルをベースにしたツールで「ITの専門家ではない現場の方もデータを活用できる」ことを示した。最後に、奥谷氏は「感覚的な理解をデータで実証することは大切。データ分析から予測まで進んで、マーケティングの効果を可視化しつつ、精度を高めていきたい」と話した。

お問い合わせ
日本マイクロソフト株式会社
日本マイクロソフト株式会社
ウェブサイトはこちら