事後レポ

顧客・市場の動向分析と
有効活用はここまで進化した

顧客・市場の動向を探るデータ活用を考える「カスタマー・データ・アナリティクス2015」が4月に東京・港区で開かれ、機械学習などのクラウドサービスを使った最先端の事例が紹介された。
主催:東洋経済新報社  特別協賛:日本マイクロソフト

基調講演
顧客の振る舞いを変えるビッグデータ活用を
見える化止まりにしない

鈴木 良介
野村総合研究所 コンサルティング事業本部 ICT・メディア産業コンサルティング部

ビッグデータは、詳細でリアルタイム、かつ音声などの非構造化データを含む多様性によってサイズが大きくなる。野村総研の鈴木良介氏は「世の中の事象を変換した『データ』は増えましたが、そのままではお金になりません。データ解釈から『情報』を抽出し、顧客など誰かの『価値』に働きかけ、その振る舞いを変えて、『売上や効用』などの結果につなげるというバリューチェーンが大事です」と話す。たとえば、加速度センサーを搭載した「やせるフォーク」は、動きが速いと振動や光で知らせる。それは、動きから早食いという情報を検知。太りやすい食べ方を変えて健康という価値に働きかけ、肥満防止と売上アップを目指す仕掛けだ。中でも重要なのは「振る舞いを変える」仕組みだ。A駅近くのスーパーが、隣のB駅を最寄りにする人に割引クーポンを送ってもあまり効果はない。しかし、健康意識の高い活動量計利用者に「一駅前のA駅で降りて歩きませんか?トクホ商品を割引きしますよ」と、持ちかければ、心を動かせる可能性は膨らむ。鈴木氏は「データを使って相手の関心事をくすぐることが結果につながります」と述べた。

事例講演Ⅰ
機械学習を使った、オークファンの
価格最適化への取り組み

得上 竜一
オークファン サービス基盤技術部部長

オークション相場検索サイトを運営するオークファンで、価格調査・予測を手掛ける得上竜一氏は「400億件のデータを分析し、未来を予測する手法をビジネスとして提供したい」と話す。たとえば、ユーザーの検索やアクセスログといった行動データなどから、各ユーザーのモチベーションを数値化した指標を算出すれば、退会防止策や上位プラン移行のプロモーションにつなげる。また、家電量販店などでは、ネットショップでの購入前に店頭で商品の実物を見るだけの「ショールーミング」対策が課題になっているが、価格設定を工夫することで、持ち帰り志向が強い商品では、ショールーミング客に対して、店頭での購買を促すこともできる。コンピュータがデータから学んだ特徴を利用して数値を予測する機械学習について得上氏は「予測したいことを明確にすることがポイント。クラウドで機械学習環境が提供されており、気軽にやってみることもできます」と述べた。

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