日高屋「飽きないチャーハン」の意外すぎる"正体" 実は炊き込み&鶏の胸肉を使用!そのルーツは?

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付け合わせのスープは、中華そばのスープと別物。以前は同じベースを使っていましたが、現在はチャーハン・スープ用に別のベースを製造しているそうです。

例えば、中華そばのスープには香味油が入っていますが、チャーハンや定食用のスープには入っていません。オイリーになりすぎないように、かつ塩辛くなりすぎないように工夫しています。先ほども書きましたが、このスープがチャーハンに負けず劣らず印象に残る味わいで、利用客からは「スープだけ単品で欲しい」といった声も出ているほどの人気ぶりです。

【2023年11月24日14時40分追記】初出時、記載に一部誤りがあったので修正しました。

千差万別の楽しみ方が見いだせるメニュー

チャーハンだけでも、さまざまなこだわりや改良を重ねてきたことがわかったインタビューでした。ちなみに代名詞の中華そばも、過去にリニューアルを重ねてきています。

鈴木さんによると、もともと動物系スープの味わいが強かった中華そば。一昔前のラーメンといえば鶏ガラでダシを取るものがほとんどでしたが、10年ほど前から魚介などの和風だし系が増えてきました。

そこで、和食のダシを意識したスープも多めにブレンドするように改良したといいます。社内では和風のダシを使用することに反対の声もあったそうですが、実際に開発して試食した際に好評を得て、改良を加えました。「お客さまの層を見ても40~50代が増えてきており、毎日食べても重すぎず、食べすぎないように工夫しました」と鈴木さん。

2013年に増設した新工場では、大幅に生産量が増加。さまざまな創意工夫の源泉として機能している(画像:日高屋公式Webサイト)

こうしたさまざまな取り組みの背景には、2005年に本格稼働を開始した行田工場の存在があります。以前は外部から食材・食品を購入することも多かったといいますが、工場ができてからは自社でたくさんのものを作れるようになりました。そこから多くのチャレンジが生まれていったそうです。

チェーン店至高のいぶし銀メニューを尋ねて
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非常にシンプルなたたずまいながら、たくさんのこだわりが込められたチャーハン。「ラ餃チャ」の中では3番手に甘んじていますが、1品で完結する主食として、白米のように数多くのメニューの引き立て役として、はたまた白米のおかずとして楽しむなど、注文する人によって楽しみ方は千差万別です。

例えば「バクダン炒め」と一緒に注文して「バクダンチャーハン」として楽しむ人も多いとか。単品メニューがそれぞれ安いからこそ、自分なりの楽しみ方を見つけるのも面白そうです。

鬼頭 勇大 フリーライター・編集者

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きとう・ゆうだい / Yudai Kito

フリーライター・編集者。熱狂的カープファン。ビジネス系書籍編集、健保組合事務職、ビジネス系ウェブメディア副編集長を経て独立。飲食系から働き方、エンタープライズITまでビジネス全般にわたる幅広い領域の取材経験がある。

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