毎日が刺激的!ワーホリで人気のバリスタになる 個性的なカフェで珈琲を淹れ、ラテアートも

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「正直、幸運だったと思います。タイミングが良かった。見つけられた理由の一つは、まだセカンドビザの申請要件が満たされるか、はっきりしない状況で行ったことが大きかったと思っています。このタイミングで入ってきた人は、仕事がまだあったんです。でも、ビザが取れるとわかってから来た人たちは、もう難しかった。小さな街ですから」

これまたリスクを取ったからこそ、リターンがあったのだ。

そして採用の決め手になったのは、バリスタ経験だった。

「やはり手に職は強いな、と思いました。もちろん英語はそれなりにできないと雇ってはもらえませんが、英語がすごくできて経験がない人より、英語はそこそこで手に職のある人のほうが仕事は早く見つかります」

採用側が何を求めているのか、その見極めが大切になるということだ。
カフェで働いている間、多くの日本人が履歴書を持ってきたという。しかし「経験がない」「英語ができない」では、オーナーにつなぎようもなかった。「とにかく仕事が」では通用しないということだ。

日本では感じられない驚きが一番の価値

ケアンズで半年間を過ごし、その間にパンデミックビザ(コロナの影響で帰国できない人たち向けの救済措置ビザ)を取得した。シドニーに戻り、ケアンズの経験を活かして現在のカフェで仕事を得た。週に約10万円、月収で約40万円の生活を送る。セカンドビザの権利もあるため、最大3年、オーストラリアにいられる。

「驚くことがたくさんあります。発見の毎日です。社会人になると、変化ってなくなりますよね。でも、その変化が毎日ある。とにかく多様性に触れられます。働き方とか、生き方とか、日本では絶対に感じることができないものに触れられるのが、一番の価値だと思っています」

インタビューの翌日、古河さんの働くカフェでオーストラリアならではのコーヒー「フラットホワイト」をいただいてきた。カウンターの中で、外国人に交じって溌剌と働く彼の姿があった。

古河さんが淹れた「フラットホワイト」(筆者撮影)
上阪 徹 ブックライター

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うえさか とおる / Toru Uesaka

ブックライター。1966年、兵庫県生まれ。早稲田大学商学部卒業。ワールド、リクルート・グループなどを経て、1994年、フリーランスとして独立。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍、Webメディアなどで幅広くインタビューや執筆を手がける。これまでの取材人数は3000人を超える。他の著者の本を取材して書き上げるブックライター作品は100冊以上。2014年より「上阪徹のブックライター塾」を開講している。著書は、『1分で心が震えるプロの言葉100』(東洋経済新報社)、『子どもが面白がる学校を創る』(日経BP)、『成城石井 世界の果てまで、買い付けに。』(自由国民社)など多数。

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