日本の「世界に乗り遅れた感」はどこから来るのか モビリティ産業の未来はどうやら明るそうだ

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ただし、モビリティショーを見ているうちに、そうでもないように思えてきた。移動することは、かなり根源的な人間の欲求である。ヴァーチャルがあればいい、仕事もリモートで片付く、なんてものではない。

現にコロナ禍が明けてから、全世界的なツーリズムのブームが到来している。日本へのインバウンドは今年1月から9月の累計で1737万人。コロナ前の2019年の水準に限りなく接近している。残念ながら円安のせいもあって、アウトバウンドは671万人と伸び悩んでいるけれども。

日本人はモビリティー産業の未来を信じられるか

何しろ今の時代、全世界の80億人のうち2人に1人がスマートフォンを持っている。つまり、40億人がネットでつながっているという、途方もない時代である。

しかも、こんな風になったのはたかだかこの15年くらいの現象である(iPhoneの登場は2007年)。そして、新型コロナウイルスによる「移動しちゃいけない」という3年間の喪が明けたのだから、人々が移動するのは当たり前なのだ。

この動きにわれわれが「乗り遅れている感」があるのは、おそらく下記のような理由によるものだろう。

(1)日本人の平均年齢=48歳
(2)中国人の平均年齢=38歳
(3)インド人の平均年齢=28歳
(4)ナイジェリア人の平均年齢=18歳

われわれがぼやぼやしている間にも、人々は動くし、世界はどんどん変わっていく。モビリティー産業の未来は明るいはずである。問題は、われわれがそれを信じられるかどうかであろう。

(本編はここで終了です。このあとは筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)

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