推しに祈る「1万円する推し壇」が売れまくる背景 20色に光る推し壇、入社3年目の社員が提案

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はせがわの祖業は仏壇製造販売。「おててのしわとしわを合わせて~」のフレーズで知られるCMは1980年に始まり、2002年以降は3代目となる「ゆうかちゃん」バージョンが放映されている。

しかし住まいのコンパクト化やライフスタイルの変化で大きなお仏壇を置く家庭は減り、同社が販売する仏壇の平均単価は2012年3月期に34万円だったのがここ2年は29万円台に下がったという。

仏壇機能つきの家具も展開

はせがわは2017年に居間になじむ仏壇「リビング・コレクション」シリーズの販売を始め、カリモク家具や飛騨産業など著名家具メーカーと共同開発した「仏壇機能つきの家具」を展開する。最近はEC販売にも力を入れており、これらの取り組みの結果、2023年3月期の仏壇販売数は、過去十数年で最高の約3万3000基に達した。

仏壇 はせがわ
リビング・コレクションシリーズ(写真:はせがわ提供)

昨年以降は法事向けのカタログギフトや専門家と提携した相続サポート、遺品整理サービスなど、顧客が手を合わせる機会と長期的に接点を持ち続ける事業に着手している。仏壇とは顧客層がまったく異なる推し壇の販売も、その延長にあると言える。

福田さんは「今年も近く公募企画を始める。前回の公募で採用された商品が話題になったので、より多くの社員が参加してくれるのではないか」と期待を語った。

浦上 早苗 経済ジャーナリスト

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育など。中国メディアとの関わりが多いので、複数媒体で経済ニュースを翻訳、執筆。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。新書に『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
Twitter: @sanadi37

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