必要な仕事が1日1時間で本当に終わる人の思考法 小手先のやり方では絶対できない時間の削り方

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では、どうすれば1日の仕事を1時間で終わらせられるのだろう。一般に「仕事を減らす」には次の方法があると言われている。

①優先順位をつける
②権限を譲る(デリゲーション)
③習慣の見直し
④自動化や効率化
⑤断る勇気をもつ
⑥休息とリラックス
⑦仕事の放棄(サボタージュ)

もっと努力せずにラクな方法で仕事を減らせる

私が実践した「仕事を減らす」方法は、どれでもない。もっとシンプルかつスムーズに、努力することなく実践できる、いわば「小さなイノベーション」だ。

努力せず、ラクな方法で仕事を減らしたい。

これは誰もが一度は考えたことがあると思う。「小さなイノベーション」は、そんな考えにぴったりだ。特に私のようなものぐさは、これなしでは仕事にならない。

「小さなイノベーション」の、小さな成功例を1つ挙げよう。

玄関から部屋に上がるときに、靴を脱ぎ散らかす子どもがいた。「靴を脱いだら揃えなさい!」と、何度注意しても聞く耳なし。母親はイライラが募るばかりだった。

あるときチョークで玄関の床に、子どもの靴にぴったりの足型を描いた。すると子どもは自然と靴を、そこに揃えるようになった。子どもは「自分だけの場所」が玄関にできてうれしかったのかもしれない。あるいは「足型に靴をはめるという遊び」が楽しかったのかもしれない。ともあれ、できないことを指摘され怒られてばかりだった子どもは、一転して褒められるようになった。

また、母親にとっても「注意する」ことで疲弊し苛立つのではなく、子どもが靴を揃えることを気分よく「褒める」だけでよくなったのである。

「チョークで描いた足型」がなければ、子どもはずっと注意されてばかりだったかもしれない。この「小さなイノベーション」のおかげで、逆に褒められるようになったのだ。靴を揃える習慣がつけば足型は必要なくなるだろうし、チョークで描いた線は自然に消える。

毎日靴を揃えたかを確認しに行き、揃っていなかったら、それを直す。昨日までとまったく同じことを我が子に言い続ける。ついつい成長のない子どもに嘆いてしまう。これでは結果として、指導力のない自分を呪うといった心のダメージを負いかねない。そんな日々が、一度チョークで足型を描いて「ひと言褒める」だけという快適な日々に変わったのである。

これが「小さなイノベーション」の威力だ。

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