アラ還女性が熱い眼差し「69歳資産家」婚活の行方 「1人は寂しい」相談所に入会するシニアの現実

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「若い頃、熟年離婚という言葉を聞くと、“何十年も一緒にいたのに、なんで離婚するんだろう”と意味がわからなかった。身をもって体験すると、よくわかります。子どもがいたら、学費や生活費などの金銭面から離婚ができない。熟年離婚って、10年、20年とつらい夫婦生活を耐えた先に待っている、自分へのご褒美なんです」

増えているシニアの離婚&婚活

では実際、熟年離婚はどうなっているのか。

厚生労働省の人口動態統計によると、2022年の離婚件数は18万4386組あり、そのうち約21.1%の3万8968組が熟年離婚(同居期間20年以上)となっている。この統計は1947年から取られているが、熟年離婚数は2022年が過去最高となっている。今後も、ますます増えていく可能性がある。

厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況」より編集部で一部改変

まゆみは言った。

「ただ、1人になって暮らしてみると、そばに人がいないのは寂しい。結婚生活が長かったせいか、家族のために食事を作ったり、家事をしたりするのが身に染み付いている。パートナー選びは間違ったかもしれないけれど、私は結婚というかたちのなかに自分を置いて暮らしていくのが心地よいのだと改めてわかったんです」

そして、続けた。

「人間だから喜怒哀楽の感情はある。でも、今度は些細なことで怒らない人。怒っても暴言を吐かない人を探したいです」

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少子化が進み、日本の人口は近年、減少し続けている。国立社会保障・人口問題研究所によると、2040年には65歳以上の高齢化率が35%となり、2070年には39%になると推測されている。

若い世代の結婚離れが進む一方で、“社会に出たら結婚をするのが当たり前”という刷り込みをされてきたシニア世代の婚活は、これからもますます盛んになっていくのではないだろうか。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラYouTubeも開設。

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