女の子は「算数」が苦手?男女の知られざる意外な差 「理系=男子」子に先入観を持たせない親の関わり方

拡大
縮小

このように、理系=男子という先入観がなくなるようなロールモデルが女の子の身近にあるほうが、理系を選択する女の子が増えることがわかっています。女の子の進路選択に外的な要因が大きく影響していることを示すデータと言えるでしょう。

「理系は男子」先入観を持たせない関わり方

親や祖父母の関わり方が理系から女の子を遠ざけてしまう要因にならないために、注意するべきポイントはどのようなことがあるでしょうか。

ポイント①:「女の子だから算数が苦手」という思い込みを捨てる

先ほどもお伝えしたように、「女の子だから算数が苦手」という話はデータで見ても根拠がありません。例えば母親が、自分が算数が苦手だったとしても、それを「私も算数が苦手だったわ。あなたも女の子だから苦手でも仕方がないのよ」と言ってしまうのは誤りです。

実際に娘が算数に苦手意識を持っていたとしても、苦手の原因を詳しく見ると、算数の中の特定の分野だけが不得意だったということはよくあります。不得意な分野を克服すれば、また算数が得意になる可能性は十分あるのです。

ポイント②:性別を意識しないで習い事を選ぶ

男の子はサッカー、女の子はピアノやバレエというように、人気の習い事には性別による傾向があるようです。2022年の民間調査では、プログラミング教室への申し込みは8割が男の子ということがわかりました。

このような状況で、女の子のお子さんがプログラミングに興味を持ったら何と声をかけますか?

「プログラミング教室に来ているのは男の子ばかりみたいだけど、本当にいいの?」。このような声かけはお子さんを気遣っているように見えますが、暗に「理系は男子」を印象付けてしまっている例です。性別を意識しないで、子どもの好奇心を伸ばす習い事選びをしてあげてください。

ポイント③:性別を意識しないでおもちゃを選ぶ

おもちゃ選びについても男女差をつけてしまいがちです。「本人が好きだからミニカーを」というのならいいですが、単に男の子だからミニカーを、女の子だからお人形を、と性別によって分け与えているのであれば、性別を意識しないおもちゃ選びをすることが大切です。

算数に活きるという点では、積み木やブロックを使った遊びがオススメです。これらのおもちゃは立体的な図形をイメージする能力を伸ばすことができます。遊びの1つとして男女関係なく取り入れてみてください。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT