「51歳同士での結婚」が大成功した男女のリアル 年収2000万円の彼女と、謙虚すぎる夫の相性

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久美さんの年収を見て、「お嬢様なのか!?」と見当違いの遠慮をしていたという敏弘さん。交際から現在に至るまで久美さんに対する「驚きと尊敬」に満ちた毎日だと素直に語る。

「私にはとてもできないことをしている妻が、私を想ってくれるのがとてもありがたいです。私もそれ以上に彼女を想い、支えられるように努力していきます」

勇気と実力が実を結ぶ

久美さんの子どもたちは進学先の大学を決め、精神的には自立している。自他に厳しすぎる母親が、優しい敏弘さんに迷惑をかけないかを危惧していると久美さんは笑う。

「私に叱られてばかりいたからでしょう。子どもは叱られるようなことをするからです。勉強しろとは一言も言いませんでしたが、勉強せずに落ちぶれても一切助けないと態度で示していました。でも、私は主人を叱ったりはしませんよ」

夜勤もある敏弘さんだが、月に1回は久美さんと遠出することを楽しみにしている。職業柄、車の運転はお手の物だ。

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新居ではリノベーションのローンは敏弘さんが払っている。一時的な独身時代に住んでいた一軒家は久美さんが高値で売却してくれたので資金には困らない。生活費は久美さんが負担。再婚後は幸せパワーで年収がさらに上がったというのでまったく問題ない。洗濯は敏弘さん、料理と掃除は久美さん、とそれぞれが「好きな家事」を担っている。

公私でさまざまな経験を重ねてきた敏弘さんと久美さん。業界も特技も違うけれど、一緒にいると倍以上の力を発揮できているようだ。想定外の人と出会い、結ばれて、偶然を必然に変えていく。いろいろあっても前を向くことを忘れなかった51歳には、そのための勇気と実力が備わっているのだと思った。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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