TV番組で重宝「小峠とアンガ田中」にある共通点 どこでも必ず笑いを生み出す2人の類似点とは

拡大
縮小

定期的に新ネタライブを続けることで着実にネタの精度は高まり、コンビの間やリズム、ロックバンドBLANKEY JET CITYにも通じる小峠のワードセンス、クレイジーな西村瑞樹の言動など、2人にしか描けない世界観を作り上げていった。2012年、芸歴制限のない『キングオブコント』で優勝し、人生を一変させたのは周知の通りだ。

一方の田中は、デビュー後早い段階で注目を浴びた。『爆笑問題のバク天!』(TBS系・2003年~2006年終了)のコーナーで「ジャンガジャンガ」ネタを披露すると一気に知名度は上昇。見た目と芸風から「キモかわいい」と大人気になった。

しかし、しばらくすると人気は落ち着き、レギュラー番組は減少。焦りを覚えたのか、田中は新たな武器を模索し始める。2008年にライブからスタートした『潜在異色』(番組は日本テレビ系・2010年1月~同年3月)で1人コントを披露し、共演者との長尺コントシリーズで作・演出を手掛けた後、独立したコント公演を3度開催している。

また、紅茶、バイオリン、囲碁、苔の盆栽といった趣味を打ち出してバラエティーにたびたび出演。そんな中で、FUJIWARAの藤本敏史から番組の収録中に「(筆者注:「キモかわいい」じゃなく)キモいだけやねん!」と言われ、キャラクターをシフトする。

以降、“カニの化け物”を演じて悲鳴を浴びたり、女性客が集う観覧席に飛び込まんばかりのパフォーマンスで沸かせたりする“キモキャラ”で再ブレークし、ようやく低迷期を脱した。

重要なポストで存在感を示す

ブレーク後の立ち回りも、2人は似たところがある。それは、番組全体を盛り上げる重要なポストで存在感を示してきた点だ。

個人的に『キングオブコント』優勝後の小峠というと、『有吉のバカだけど…ニュースはじめました』(テレビ東京系・2013年から2015年まで放送された不定期特番)を思い出す。番組の趣旨でもあるだろうが、“知識のない小峠”を打ち出しており、探りさぐりのキャラを熱量でカバーしていた印象が強かった。

しかし、その後はMCや進行役を任される機会が増え、イメージは変化していく。とくに『有田ジェネレーション』(TBS系・2016年~2021年3月終了。以降は「Paravi」(現在は、U-NEXTにサービス統合されたコンテンツレーベル)で配信)でグダグダとなった若手に「おーい!」と捲し立てて笑わせるパフォーマンスは小峠ならではのものだった。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT