新NISAと現行NISA、結局なにがどう変わるのか タンス預金だけの場合とどのくらい違う?

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いっぽう、一般NISAは年間120万円まで、株式やさまざまな投資信託など、幅広い商品が対象で、投資方法も積立投資にくわえて、好きなタイミングで買いたいだけ買うスポット投資も可能です。

いずれの制度も売却するのは自由で、必要であればいつでも売ることが可能です。資産形成が目的で利用するなら、筆者のおすすめはつみたてNISAです。投資可能額は小さいものの、非課税期間が20年と長く、長期的な資産形成にはより適しているといえるからです。

●積立投資とは
定期的に一定金額ずつ買い付けていく方法。一般的には毎月積立が多いが、NISAでは年2回以上に分けて投資すればよいことになっている。
●スポット投資とは
自分が好きなタイミングに、買いたい金額を一括で投資すること。一括投資とも。

新しいNISAって、どのような仕組みなの?

ここで「新しいNISA」の概要を説明します。

利用できるのは日本に住む18歳以上の方です。残念ながら未成年の方は利用できません。

『新しいNISA かんたん最強のお金づくり』(河出書房新社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

口座開設は2024年以降いつでも可能で、新しいNISA口座での投資により得られた利益は、保有期間にかかわらず非課税となります。つまり、20年でも30年でも、どんなに長く保有しても、無期限で非課税となります。このメリットは非常に大きなものです。

新しいNISAでは、現行のつみたてNISA/一般NISAを引き継ぐ形で、つみたて投資枠/成長投資枠という2つの枠が設定されます。これまではつみたてNISAか一般NISAのいずれかを1年ごとに選択する形でしたが、新しいNISAでは両方の枠を同時に利用できます。

(出所)『新しいNISA かんたん最強のお金づくり』

つみたて投資枠では積立投資のみですが、成長投資枠ではスポット投資も可能です。1年間で投資できる金額(年間投資枠)は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。また、非課税保有限度額(累計での生涯投資限度額)は1800万円で、そのうち成長投資枠は1200万円が上限となっています。なお、売却はいつでも可能です。まずはこういった概要をしっかり理解していただくことが大切です。

横田 健一 ファイナンシャルプランナー、ウェルスペント代表 

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よこた・けんいち

大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」やYouTube「資産形成ハンドブック」で情報発信しながら、家計相談やライフプラン・シミュレーションを行い、個人の資産形成をサポートしている。東京大学理学部物理学科卒業。同大学院修士課程修了。マンチェスター・ビジネススクール経営学修士(MBA)。著書「新しいNISA かんたん最強のお金づくり」

 

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