「大阪万博開催まで2年切る」在阪企業が抱く思い 開催の機運を高めるためのイベントを開催

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優勝に輝いたのは、兵庫県・灘高等学校の男子高校生チーム・アロッジオによる「THE(トリートメント・ヘルスケア・エンターテインメント)輸血」。

大阪・関西万博
大阪府が掲げる「10歳若返り」プロジェクトに高校生6チームが取り組んだピッチコンテスト『ガチ探究 in Warai Mirai Fes 2023』(写真提供:チーム関西)

献血者の減少が続くなか、リピートしてもらうために、献血ルームをフィットネスからお笑いまでさまざまな体験ができる、くつろげる憩いの場(ヘルスケア・ステーション)にすることを提案した。

万博にはネガティブ報道もあるが…

本イベントの来場者は、1回目の昨年は万博記念公園で開催され、5万人。今年は非公表だが、会場となった大阪城公園には今回も多くの家族連れや若い世代が集まり、大いににぎわった。

在阪大手企業・団体で構成されるチーム関西の代表理事であり、大阪公立大学の運営法人「公立大学法人大阪」理事長を務める、関西経済界の重鎮・福島伸一氏は、本イベントの成功に手応えを感じている。

「大阪・関西万博のテーマを旗印に、笑い、音楽、スポーツ体験、学びのワークショップを通じて来場者を笑顔にし、今回も万博に向けて大いに機運を盛り上げました。こうしたイベントを継続的かつ発展的に実施していくことが重要と考えています」

一方、大阪・関西万博に関しては、施設や設備工事の遅れの指摘などネガティブな報道もあるほか、開催意義に疑問を投げかける声など万博開催に異を唱える一部メディアも見受けられる。

福島氏は「工事遅れの問題については万博協会や政府、自治体の判断になると思いますが、われわれ民間企業の団体としては、つねに万博のポジティブな情報を発信し続けることが肝要と考えています」と話す。

そして、現状の課題に関しては「まだまだ全国的に万博の認知度が高くなく、さらなる機運の醸成が必要と認識しています。大阪府民はもちろん、国民の皆様に楽しみにしていただけるよう、いかに認知度を高めていけるかが課題であり、重要なことです」と語った。

開催まで2年を切り、前売りチケット発売も2カ月半後に控える今、大阪府民は、自分ごととして実感し始めているようだ。

福島氏は「民間のパビリオンもその概要を順次発表していくので、万博のテーマ(いのち輝く未来社会のデザイン)の訴求と、楽しいな、ワクワクするな、行ってみようかなというような雰囲気づくりに取り組んでいければと思います」と力を込める。

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