フジテレビが仕掛けた「ネット専門局」の正体

「24時間ニュースぶっ通し」で何を狙うのか

フジテレビは4月から、スマートフォン向け放送局のNOTTVと動画配信サービスのフジテレビオンデマンドでニュースが視聴できる専門局「ホウドウキョク」を立ち上げた。ネット配信ではPCやスマートフォン、タブレットで視聴できる。24時間ずっとニュース番組を流し続けるのが大きな特徴だ。「日本版CNN」を目指すような取り組みである。
新聞やテレビ、雑誌(出版)などといった既存メディアは、インターネットを経由した情報発信や読者・視聴者の獲得に活路を探っている。それぞれの垣根が下がって競争が激化する中で、既存業界にとどまっていては縮小均衡を脱せないからだ。
ただ、既存メディアには今の収益を支える自らの本業があり、それを守りつつも新しい分野を開拓する難しさもある。フジテレビがこのタイミングで立ち上げた新事業が、なぜネット専門のニュースなのか。その狙いや勝算は――。ホウドウキョクを統括するフジテレビの福原伸治・報道局次長を直撃した。

ネットとテレビの関係は変わったか

――4月1日から始まったフジテレビの24時間報道専門チャンネル「ホウドウキョク」ですが、開局してまだ間もないとはいえ、これまでの手ごたえからお伺いしていいですか?

社内外ともに、思った以上には評判がいいです。

福原 伸治(ふくはら しんじ)フジテレビ報道局次長/プロデューサー/ディレクター●大阪市生まれ。京都大学経済学部卒業。1986年、フジテレビジョン(以下・フジテレビ)に入社。入社後編成部に配属され、その後情報番組のセクションに異動。子ども番組『ウゴウゴルーガ』(1992年)は代表作の一つ。2012年6月、情報制作局情報制作センターの室長に就任し、フジテレビの情報番組全般を担当。2014年6月、報道局次長に就任。

――もっとたたかれるかと思ってました?

そうですね。数年前は、「またテレビがネットのことをよくわからないでなんか始めてるよ」みたいなネガティブな反応って必ずあったんですけど、そういう声はいまのところはかなり少ないですね。今さらテレビだから、地上波だからって特別「敵視」するという空気もほとんどないですね。

――ネットと放送の関係も相当変わってきた?

そうなんだと思います。テレビ局の側も、番組内でウェブサイトのURLを表示したり、検索窓を出したりすることですらちょっと、という時代もありました。でも、地上波のニュースを切り出してネットでも配信するようなことであれば、もう10年くらい前からやっているわけですよね。ネットとテレビ番組の連動みたいなことも、今では当たり前になっています。

――見逃したドラマをネットに期間限定で再配信するというのも、ちょっと前では信じられないような状況です。

スマホ片手にテレビを見るというスタイルは、もはや当たり前ですよね。テレビの人間は、ネットを敵視するばかりではなく、いかに両方を同時に利用してもらうかというところにいっています。ただ一部では、まだまだ抵抗感が残っていますね。たとえば「スポンサーにどう説明するか」ということが問題になる場合もありますし、「地上波の客を奪うんじゃないか」というふうに思う人がいるのも確かですけどね。

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