「ビッグモーター刑事事件化」弁護士180人の見解 弁護士の6割「ありうる」、立証困難の指摘も

拡大
縮小

厳しい意見続々「内部統制の整備を」

アンケートでは、内部統制のあり方や損保業界の対応、今後の展開についての予想などを自由回答で募集した。寄せられた回答の一部を紹介する。

特別調査委員会の調査報告書でコーポレートガバナンス(企業統治)の機能不全が指摘されていたが、内部統制の重要性を指摘する意見が多くあった。

「責任者が内部統制のあり方に関心をもち、社員の働き方に注意をはらうべき」

「通報システムが機能しなかった失敗事例として検証してほしい」

「これを機会に、非公開会社であっても、適切な内部統制を行わなければならないという意識が育まれるとよいと思う」

「非上場会社の内部統制が難しいことが発覚したので、損保業界としては内部統制がしっかりしている会社と優先的に付き合うようになることが考えられる」

損保会社にも厳しい意見「闇が露呈した」

損保会社への厳しい意見も複数あった。

「損保会社の闇が露呈したところで、各損保に対しても厳しく対応を求める必要がある」

「損保会社の不正は前から聞いていたので全く驚かない。ビッグモーターだけにとどまらない。偽装工作をして保険金をどれだけ少なくするかに腐心しているのは周知の事実」

「保険会社は、被害者かのような振る舞いをしているが、車両の損害確認に当たっては保険会社のアジャスターが実際に確認して修理費用について協定を行うので、ビッグモーターの不正請求が見抜けなかったというのは非常に懐疑的」

「損保業界と大手中古車販売業者との癒着を解消する必要がある」

弁護士業務への影響や今後の対策などについては、次のような意見があった。

「単に従業員側に対抗手段がなさ過ぎたのが問題と考える。労働組合はやはり必要」

「交通事故訴訟で車両の修理代金をめぐる信用性が争われる場面が増加しないか懸念がある」

弁護士ドットコムの関連記事
高速の「ズルい」合流、実は正解だった? NEXCOが推奨する「ファスナー合流」とは
娘への強制性交、罪に問われた夫に「処罰は望みません」 法廷で妻が語った驚きの理由
「203号室の田中は出入禁止」飲食店に実名さらした張り紙、名誉毀損ではないか?

弁護士ドットコム
べんごしどっとこむ

法的な観点から、話題の出来事をわかりやすく解説する総合ニュースメディアです。本サイトはこちら。弁護士ドットコムニュースのフェイスブックページはこちら

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT