酷暑の夏、停電・断水からペットの健康を守る方法 特に注意したいのが「熱中症」疑われる症状は?

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人と違って犬や猫には汗腺がないので、体温調節が難しいという体質があります。

暑い中で運動をしたとき、気温や湿度が高い部屋で空調なしに過ごしたときなど、人以上に熱中症を発症しやすいのです。暑い時期に停電になれば、一気に発症する確率が増します。

下記のような症状が見られたら熱中症の可能性を疑い、適切な処置を速やかに行う必要があります。

熱中症が疑われる症状

□ 口を開けて「ハアハア」と激しく呼吸(バンディング)をしている
□ 舌や口の中の色が異常に赤い
□ よだれが大量に出る
□ 耳や足先が非常に熱い
□ ボーッとしている
□ 食欲がない
□ ぐったりしている
□ 嘔吐する、吐くようなしぐさをする

熱中症の処置は「体温を下げること」「水分を補給すること」が大切で、この2つを同時に行います。

通常であれば涼しい部屋(20~25℃)で安静にさせ、扇風機で風を送るなどします。また、脇の下、股の内側、首などに、タオルを巻いた保冷剤などで冷やします(適度に冷やす)。また、水分補給のために水を飲ませます(無理に飲ませない)。

しかし、そのような処置をしても回復せず、ぐったりして水分も摂らない場合には命に関わる危険があるため、早急に動物病院を受診することが重要です。

停電・断水時の熱中症を防ぐには

しかしながら、停電時に何の備えもなく、前述したような熱中症の適切な対応をすることは至難の業です。そのため、まずは人も犬も猫も熱中症にならないように、停電・断水に備えた準備をしておくことが大切です。

暑い時期の犬や猫との同行避難は、熱中症の危険が伴います。自宅が安全であれば、停電・断水していたとしても自宅避難を優先的に考えたほうがよいでしょう。

停電時に暑さを乗り切るには、「窓を開け、日陰で風通しの良い場所で、なるべく動かずに過ごす」とされています。しかし猛暑日が増加している近年は、それだけではなかなか暑さをしのげません。

扇風機や冷風機だけでも動かすことができれば、格段に熱中症を防ぐことができるでしょう。そのためには電源を確保するポータブルバッテリー、発電機や蓄電システム、ソーラー発電システムなどの用意が必須です。

ポータブルバッテリーとは、電源がない場所で家電などに電気を供給するため、本体に内蔵されているバッテリーにあらかじめ電気を蓄えておく可搬型の蓄電池のことです。電源の出力はUSBだけでなく、自宅のコンセントと同じAC出力、シガーソケットなどがあり、機種によっては同時に複数の電気機器を充電することが可能です。

場所を選ばず、いつでも使用可能なので、近年では防災用の備えとしても注目が高まっています。保有しておくことをお勧めしたい1台です。

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