今「売れている営業マン」「売れない営業マン」の差 転職した途端に売れるようになる人もいる

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たまらないのは、過去の栄光をベースに指導される側です。とくに、物静かなタイプの人は余計な苦労をさせられることになります。自分に合った営業スタイルで仕事をすればきちんと成果を出せる人が、気合いや根性ばかりを強要されて、売れないドロ沼に引きずり込まれてしまっているケースをよく見ます。

もちろん、根性や努力を全否定はしませんが、それが正しい方向に向けられているかどうかが重要です。少なくとも「明るく元気に」という指導は、テクニックでもコツでもなんでもありません。

転職したとたんに売れるようになる人

初めて入った会社で「営業とは明るくなくてはならない」「営業とは根性と足で稼ぐものだ」という指導を受けた場合、「営業とはこういうものだ」と思い込んでしまうのは当然です。そして、そのことに疑問も持たず、自分には合わない苦しい営業を続けている人も数多くいます。

そんな人に知っておいてほしいことがあります。営業は、会社によって全然違うスタイルになっているということを。

いまだに昭和型の根性営業を続けている会社がある一方で、ムリせず長時間労働もせず、スマートな営業活動を繰り広げている会社もあります。新人研修として「飛び込み営業」「手当たり次第の営業電話」をさせている会社もあれば、顧客に迷惑だからと禁止している会社もあります。

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前の会社で苦労していた人が、転職したとたんにガンガン売れるようになるというのは、よくあることです。それは、会社によって営業の仕方がまったく違うからに他なりません。違う上司になりやり方が変わったら売れるようになったという人も多いです。

いま売れずに苦しんでいる人や、過去に営業でつらい思いをした人でも、営業スタイルが変われば必ず結果を出せます。

「過去の栄光型」の上司を持って苦しんでいる人にはこうアドバイスします。

「社内では上司の指示をハイハイと聞いておいて、社外に出たら自分のスタイルで進めなさい」

不本意かもしれませんが、そうしないと売れないですし、そのままだと当人が不幸になるだけですから。

渡瀬 謙 サイレント セールストレーナー

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わたせ けん / Ken Watase

1962年、神奈川県生まれ。小さいときから極度の人見知り。メーカーの営業職からリクルートに転職し、入社10カ月目で営業達成率全国1位に。1994年、ピクトワークスを設立。『「しゃべらない営業」の技術』など著書多数。

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