これが「高速道路グルメ」の知られざる王者だ 奇跡の立地と食材の絶妙コラボに真髄を見た

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これが東日本の高速道路グルメ1位だ

それらをしのぐ1位はいったい? しかも、トップは1カ月に2万2000個近くを売り上げるという驚異的な数を誇る。それは、「お好みたい焼き」。羽生PA(東北自動車道、埼玉県羽生市)で売られている人気グルメである。

それにしても、である。

「お好みたい焼きって…何?」

取材班はそんな感想を持った。正直言ってあまりなじみがない。たい焼きは分かるが、お好み? 自由に中身を入れられる? それとも「お好み焼き」のこと? 不思議な人気ナンバーワングルメの正体を探るため、取材班は、東北自動車道の羽生PAへ直行した。そこには不思議な光景が広がっていた。

不思議な江戸の町出現!いったいなぜ?

瓦屋根に白塗りの壁、風情ある看板――。

まるで江戸のような古い街並み。一見すると高速道路の休憩施設とは思えない。中に入ってさらに驚いた。時代劇で見るような街並みがあったのだ。お店も商品もまさに江戸時代さながら。

実は、この羽生PAがある羽生市の隣・栗橋には江戸時代、関所があった。栗橋の関所は都へ行く人にとって「江戸への玄関口」。現代は東北自動車道における「東京の玄関口」が羽生PAということで、羽生を江戸風に設計したのだという。

さらに羽生PAは、単に江戸を再現するだけでなく、池波正太郎の人気小説「鬼平犯科帳」をモチーフにしている。その世界観に徹底してこだわっており、作中に実際に登場しているお店もある。これが人気を呼び、2013年のリニューアル以降、利用客は倍増したという。

こだわりの結晶!絶品お好みたい焼き発見

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時には1日2000個以上も売り上げるという大人気商品

お目当ての「お好みたい焼き」を探すと、建物の外に、一際目立つ大行列を発見した。その先にあったのは「文楽焼本舗 鬼平江戸処店」。

そこで、ついにお好みたい焼きを発見した。

その正体は「お好み焼き」を「たい焼き」の皮で包むという珍しい逸品だった。さっそく食べてみると、甘くてしんなりとしたキャベツと塩味の効いたベーコン、そしてたっぷりのマヨネーズと、オリジナルの特製ソースが、絶妙なアクセントとなり旨みを引き立てている。羽生PAを訪れていたお客さんにインタビューしてみても誰もが、お好みたい焼きを大絶賛していた。

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