バンダイの「Bトレ」は、なぜ売れ続けるのか 登場から13年、色あせない鉄道ホビー

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バンダイが誇る鉄道車両プラモデル「Bトレインショーティー」(撮影:梅谷秀司)

鉄道といえば、今も昔も「男の子のホビー」の定番アイテム。だが、低年齢層向けの「プラレール」や大人向けの本格的な鉄道模型のように定着した一部を除けば、なかなか新たなシリーズものは生まれにくいジャンルのようだ。そんな中で、バンダイが発売する鉄道車両プラモデル「Bトレインショーティー」は今年で登場から13年。鉄道会社のグッズとしても多数販売されるなど、鉄道ホビーの中で1ジャンルを築いている。

「Bトレ」は、鉄道模型のNゲージ(実物の1/150、レール幅9ミリメートル)規格に合わせた鉄道車両のプラモデル。最大の特徴は、車体の長さを実物の半分程度に縮めた(ショーティー)デザインだ。たとえば長さ20メートルの車両を1/150スケールに縮小すると約12センチメートルだが、Bトレの場合は半分の約6センチメートルとなる。もうひとつの特徴はNゲージとの互換性。そのまま組み立てれば展示用の模型となるが、別売のパーツを組み合わせるとNゲージの線路を走らせることもできる。

「ターゲット層の読み間違い」が好結果を生んだ

当初のターゲットは、鉄道の「おもちゃ」は卒業したものの、本格的な鉄道模型であるNゲージを始めるにはまだ早いという年齢層。「プラレール」とNゲージの隙間を狙ったといえる。実物そのままではなく車体を短縮した「ショーティー」としたのは、当時がいわゆる「食玩」のブームだったこともあり、手頃なサイズでコレクション性の高い商品というコンセプトがあったためだ。

2002年の登場以来、これまでに製品化された車両は延べ約1600種、販売数は2014年3月の時点で1600万両以上。ホビー事業部企画開発チームでBトレを担当する近藤寿郎さんによると、実際に売れている年齢層には2つの山があり、ひとつは小学校高学年の年齢層、もうひとつは30代以上の大人の層だという。

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