結婚に刺激求めた41歳彼女が南国で手にした生活 9歳下の外国人夫とのフィリピンでの暮らしのリアル

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直子さんはフリーランサーとして日本人向けに教育や旅行関連の仕事をしている。2人が住んでいるのは欧米人には人気のリゾート地だが、日本人にももっと知ってほしいと思って発信中だ。ジョセフさんはやはり日系のIT企業に転職。日本の顧客の要望を聞きつつ、フィリピン人エンジニアをマネジメントする業務を行っている。夫婦ともにネット環境さえあればリモートでできる仕事だ。

離島に移り住んだ今の心配は…

「家計は折半で、家事はそれぞれ得意なことをやっています。夫は料理、私は掃除と洗濯ですが、明確な分担はしていません」

不安要素がまったくないわけではない。マニラから離島に移り住んで以来、直子さんが好きなジョセフさんの真面目さが薄れつつあることだ。

「近くのダイビングショップを手伝っていて、正式にスタッフにならないかと誘われていい気になっているようです(笑)。お給料が低い仕事なので私は反対ですし、彼に向いているとも思いません。マニラで日本人に囲まれて働いているときと比べて、夫の日本語能力が少し落ちてきているのも気になります」

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そのことでときどきケンカをしながらも、基本的には「いろいろやってみたい年頃なんだな」と一歩引いた目で見守ることができている。ジョセフさんはまだ32歳。直子さんが10年勤めた会社を辞めて語学留学に旅立った年齢だ。

「日本人は若く見られるので、夫と一緒にいると私のほうが年下だと間違われたりします。でも、夫の様子を見ていると『若いなー』と思うことがありますよ。ちゃんと考えているのかどうかはわかりませんが、自分探しをしているのでしょう」

直子さん自身も思うままに生きている。これからやりたいこともたくさんある。ただし、自分探しの時期はもう終わったと感じている。リスクを負って経験を重ねて、自分が伸び伸びと力を発揮できる環境をつかんだからだ。ジョセフさんとの生活はその中でも最も大事な要素なのだろう。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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