ついに登場!新型アル/ヴェル540万円~の超進化 「走り」で差別化ヴェルファイアは復権なるか

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新型ヴェルファイアExecutive Lounge
新型ヴェルファイアExecutive Loungeの外観(写真:トヨタ自動車)

一方でヴェルファイアは、トヨタの販売チャネル統合により、全店舗でアルファード/ヴェルファイアの両方が購入可能になったことや、早い段階で販売グレードを絞ったこともあり、影を潜めるようになっていた。

そのため、フルモデルチェンジが近く、また次期モデルでは「アルファードに1本化される」というのが既定路線とされてきた。しかし、いざ発表されてみると、ヴェルファイアもしっかりと残されていたのだ。

記者発表では、「アルファードは自信をつけすぎた。ヴェルファイアは廃止される運命だったが、社内から存続を支持する声が大きかった。ヴェルファイアには“ちょい悪のヤバイやつ”という唯一無二の存在感がある」と語られ、開発継続にいたった経緯を説明。結果的に従来の販売チャネルによる違い以上に大きな差別化が図られ、ヴェルファイア復権を目指して開発されたという。

基本的なコンセプトは、アルファード/ヴェルファイアともに「世界基準の大空間高級サルーン」と同様だ。しかし、王道のアルファードに対して、ヴェルファイアには“走りの良さ”という新たな個性が与えられている。

3種類のパワートレーンを用意

2.4Lターボエンジン
新型ヴェルファイアで採用された2.4Lターボエンジン(写真:トヨタ自動車)

注目すべきはパワートレーンで、アルファードとヴェルファイアでバリエーションが異なる。

アルファードは2.5リッターハイブリッドと2.5リッターガソリンエンジンの2バリエーションだが、ヴェルファイアは2.5リッターガソリンエンジンの代わりに、従来のV型3.5リッターエンジンに相当する2.4リッターターボエンジンを設定。

アルファードの2.5リッターガソリンエンジンは先代からの継続となるが、ヴェルファイアの2.4リッターターボエンジンは新設定となり、“走りのヴェルファイア”というキャラクターを明確に打ち出してきた。

フロントパフォーマンスブレース
新型ヴェルファイアは、フロントパフォーマンスブレース(赤色囲み部分)などを追加し、走行性能を高めている(写真:トヨタ自動車)

さらにミッションもアルファードの2.5リッターガソリンエンジンはSuper CVT-iを採用しているが、ヴェルファイアの2.4リッターターボエンジンにはDirect Shift-8ATを組み合わせて走りの良さをアピールする。

そのほかにもヴェルファイアには、ラジエターサポートとサイドメンバーをつなぐボディ剛性部品「フロントパフォーマンスブレース」を追加し、専用のサスチューンを施すことで、思いどおりに動き、運転する楽しさを感じられる走行性能を付与しているという。

これまでは外観の違いが主だったが、新型アルファード/ヴェルファイアでは、キャラクターの異なる別車種として立ち位置を明確にしている。

ちなみに2023年4月に中国・上海モーターショーで発表されたレクサス「LM」は、2.4リッターターボハイブリッドシステム+eAxleと、2.5リッターハイブリッドシステムを搭載するから、LMとアルファード、そしてヴェルファイアでうまく差別化が図られているように見える。

次ページ先代を踏襲しながらLMの面影も感じるエクステリアデザイン
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