「親の愛情不足」の中で育った子に見えがちな特徴 安全基地になれない親は「精神的に未熟」

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◆大人げないくらい自分中心

態度や考え方の中心にあるのは自分なので、子どもっぽいどころか大人げない。そのため、自分のことしか考えられない。

◆不安で自信がないために自分を中心に据えた言動をとる

とるに足らないとか、誰からも好かれないなど、自分の短所を認めることを恐れる。そのため自分のまわりに高い壁を巡らせ、いまにも崩れそうな自尊心を必死に守っている。そうした行為は、根本にある不安をひたすら自覚しないようにするためにある。

◆独りよがりで自分勝手

著者によれば、不安からくる独りよがりは、精神的に未熟な人すべてに見られる特徴。自分のニーズは満たされているか、気分を害するものはないかとつねに気にしている。非難されることに耐えられないので、とにかく自分の過ちを少なく見せようとする。

彼らは、人としての自分の核となる価値を根本的に疑っている。彼らが自分勝手なのは、子どものころに感じた不安のせいできちんとした発達をさまたげられてきたからだ。彼らにみられる自己中心性は、自分のことが好きでたまらないからというよりも、慢性的な痛みを抱えていて、そのことしか考えられない人に似ている。(61〜62ページより)

◆自分を省みることはなく、自己言及ばかり

誰といかなる話をしていても、すべて自分の話題に持っていく。それでいて、自分を省みることはない。

◆注目を浴びたがる

子どもと同様に、精神的に未熟な人はたいてい注目を浴びることになる。

◆進んで役割を逆転させる

子どもが親であるかのように子どもに接し、子どもに気を使ってもらい、安心させてもらうことを期待する。

◆共感が少なく、思いやりがない

自分自身の感情もよく理解できていないので、ほかの人にどんな思いをさせるかといったことにまで、とても頭がまわらない。

「未熟な親」には理由がある

多くの親がこれほど精神的に未発達なのはなぜか? どこに原因があるのだろう? 著者はさまざまな臨床経験を通じて考察を続けた結果、相談者の親の多くが子どものころに感情を封じ込めてきた可能性が高いのではないかと思い至ったという。

当然ながら、精神的に未熟な親もかつては子どもだった。しかしそんなときに、心の奥底にある感情の多くを封じ込めるしかなかったのではないかということだ。

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