部下に任せた仕事に、上司が介入すべき3つの局面 部下にどこまで任せてどこから口を出すべきか

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1つ目は、部下の判断根拠に危うさを感じたときです。

1on1ミーティングなどで、仕事の進捗だけでなく、本人がどのような基準で判断を下しているのかを聞きます。それが、業務方針と整合的であり、部下なりによく考えた合理的なものであれば尊重すべきです。

しかし、その点が曖昧で「何となく」だったり、リスクを過度に怖がっていたり、あるいは、利己的な視点が見え隠れする場合は、そのまま任せるわけにはいきません。仕事全体にその姿勢が反映され、結果に悪影響を及ぼすからです。

自分が気になっているということを率直に伝えて、部下の認識とすりあわせます。上司が率直に伝えれば伝えるほど、両者の認識は早く一致します。そのうえで、どのように改善すべきか、自分はどのようにサポートできるかなどを一緒に考えればよいでしょう。

人間関係の悪化はパフォーマンスを悪化させる

介入すべき2つ目は、人間関係の悪化を感じたときです。

ギリギリの状態で仕事をしているときほど視野が狭くなり、周りへの気づかいがおざなりになりがちです。仕事の進め方やものの言い方に反感を買っていたり、ちょっとした行き違いで関係者と不仲になっていたりします。

しかし、本人がそのことに気づかずに、仕事に非協力的な人を、相手のやる気のせいだと一方的に決めつけたりすることもあります。問題だとは思っていても、どうしていいかわからないまま放置している人もいます。

人間関係の悪化はパフォーマンスを悪化させ、しかも、一度壊れると修復に多大な努力を要します。できるだけ早い段階で自分がそう感じていることを率直に伝え、本人と話し合う必要があります。

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