寝る姿勢を変えるだけ「首のゆがみ」セルフ解決法 「うつむく姿勢」の習慣化が不調の原因となる

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そのために私が患者さんにお勧めしている、すぐにできて安全な健康法が「寝る整体」です。昼間の悪い姿勢を、寝ている間を利用して矯正する方法です。

方法は簡単です。たった2つのステップしかありません。

①「整体枕」を作る
●120×60㎝程度の、少し厚みがあるバスタオルを用意します。
●タオルの長いほうを、2つに折りたたみます。
●それをクルクルと丸めて棒状にします。
これで「整体枕」のできあがり。直径は8~10㎝、長さは60~80㎝程度になります。
②整体枕であお向けで眠る
①でできた整体枕を首の下に当てて、「あお向け」で朝まで眠ります。

いかがでしょうか? あっという間に準備ができるので、今夜からやっていただけると思います。

なぜ「寝る整体」で解消できるのか

ただ、慣れていないと最初は違和感があるかもしれません。その場合は、10分だけあお向けを意識して、そのあとは整体枕を外して眠りやすい姿勢になってかまいません。

そして毎晩少しずつ、整体枕を使ってあお向けの時間を延ばしてみてください。

なお、頭や首、腰の治療中の方、腹部や足などの手術を受けて主治医から寝姿勢に関して指示を受けている人は、主治医に相談してから行うようにしてください。

それでは、なぜ寝る整体で首のゆがみを解消できるのでしょうか。

整体枕を首の下に当ててあお向けになると、頭は重力で自然と下垂します。すると、ストレートネックで前に出ていた頭が正常な位置に補正され、それに伴い首のカーブも徐々に元に戻るからです。

寝ている間に頭の重さが分散されるので、首だけでなく背骨や骨盤への負担が軽減され、全身が本来あるべき骨格に整います。

実にシンプルな整体方法ですが、これまで多くの方の不調が改善されました。

70代の女性の例をご紹介しましょう。

この方は、肩こりと頭痛に長年悩まされ、3日と空けず鎮痛剤を飲んでいて、このまま一生薬を飲み続けるのかと不安そうでした。診察をすると重度のストレートネックが見られたので、自宅でできるセルフケアとして寝る整体をお勧めしました。

実際にやっていただいたところ、まず感じた変化は、寝つきがよくなり、眠りが深くなったことだといいます。さらに起床時の首や肩回りのこりが、すっきり解消し、気がつけばいつの間にか頭痛も起こらなくなり、ついに鎮痛剤を手放せたのです。

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