京阪線・御堂筋線、淀屋橋駅の「地上」で進む大改造 「大阪のメインストリート」挟み高層ビル建設中

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「御堂筋」という名称は本願寺津村別院の「北御堂」と真宗大谷派難波別院の「南御堂」に由来しており、1923年に第7代大阪市長となった関一(せき・はじめ、1873~1935年)が名付けたという。関は地下鉄御堂筋線の生みの親でもある。

1920年、御堂筋には都市景観を守る狙いで建物の高さを31mとする「百尺制限」が設けられた。1995年に土佐堀川通―中央大通(船場中央)間でビル正面の高さを50m(後方は60m)に緩和。2000年代に入ると条件付きでこれを超える高さの建物が認められるようになった。

中之島から見た御堂筋
中之島の北側から見た御堂筋。車線はすべて南向きの一方通行(記者撮影)

東側の京阪・日土地共同によるオフィスビルは高さ50m地点の「基壇部の軒線」で御堂筋のほかの建物と統一感を持たせる。西側に建設中のビルは御堂筋側の高さ50mの11階部分に屋上庭園、カフェラウンジなどの眺望テラスを設け、一般にも開放する計画だ。

京阪にとって「最重要駅の1つ」

2023年は、大阪メトロと京阪、それぞれの淀屋橋駅にとって90周年、60周年の記念の年。前身の市営地下鉄の御堂筋線は1933年5月20日に梅田―心斎橋間で開業。一方、京阪本線は1963年4月16日、それまでの起点だった天満橋から西へ地下線が延伸、北浜、淀屋橋両駅が誕生した。

京阪ホールディングスは3月30日に公表した京阪グループ長期経営戦略・中期経営計画で、淀屋橋のビル共同建て替えを重点施策「大阪東西軸復権」の1つに挙げた。京阪の担当者は「当社にとって大阪中心部である淀屋橋への延伸は開業以来の悲願だった。現在も御堂筋線と接続し、オフィス街の中心に位置する同駅は大阪側の起点駅として当社で最も重要な駅の1つ」と位置づける。

大阪市内には、阪急電鉄と阪神電気鉄道のターミナルがある梅田、南海と近畿日本鉄道・阪神が乗り入れる難波の2大繁華街がある。南北の両エリアを結ぶ御堂筋沿いでは、ほかにも高層ビルの計画が進行中。淀屋橋はその玄関口として改めて存在感を示すことになりそうだ。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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