なぜかイライラしない人が「やらないこと」3選 "マイナス感情"をすぐに口に出すのをやめる

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しかし、妻はそんな夫の気持ちをよそに、のんびりとバラエティー番組を見て大笑いしています。イライラした夫は、つい妻にあたってしまいます。

「おい、いつまでくだらないテレビを見ているんだ!」

出し抜けに怒られた妻も感情的に反応し、夫婦ゲンカに発展してしまいました。

この場合、悪いのはやはり夫です。自分が不愉快な思いをしたときには、その様子を察して、やさしい言葉をかけるのが妻の役割だ。夫はそう考え、妻の対応を期待していました。夫は一方的に甘えていたのです。

「わかってほしい」と甘えるのをやめる

人と人との間には厳然とした壁のようなものがあります。

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親子や兄弟姉妹、仲のよい夫婦であっても、双方の気持ちを100%理解し合うことはありえません。どんなに親しい関係でも、考え方は人それぞれです。

にもかかわらず、「察してほしい」と甘えてしまうのは、自分が普段から周囲の人の思惑を気にして生きているからです。

「自分は相手の思いをいつも気にしているのに、相手が自分の思いに気づいてくれないのはなぜなんだ?」と、不機嫌になってしまうのです。

しかし、そもそも人の感情は、言葉に出さない限り理解されないのです。感情を素直に伝えない人を理解しろというのは無理な話です。

だから、相手に察してもらうことを最初から期待すべきではありません。相手の心を理解できなくて当然、相手も自分を理解できなくて当然。そう割り切って、わかってほしいと甘えるのをやめれば、気持ちが楽になります。

(画像:『感情的にならない気持ちの整理術 ハンディ版(特装版)』)
和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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